ソフトバンクとB.LEAGUEの新たな取り組み
公益社団法人ジャパン・プロフェッショナル・バスケットボールリーグ、通称B.LEAGUEは、トップパートナーであるソフトバンク株式会社と協力し、トラッキングデータを活用した新しい試みのトライアルを実施しました。この試みは、2024年10月4日に長崎にオープンしたハピネスアリーナで行われた、長崎ヴェルカ対サンロッカーズ渋谷の試合で行われました。
トラッキングデータの導入
試合においては、ソフトバンクの提携先であるソニーグループ傘下のHawk-Eye Innovationsのトラッキングシステムを活用しました。このシステムにより、コートを囲む形で設置された14台のカメラが映像を捉え、選手やボールの位置をデータ化することが可能になります。これによって得られた情報は、後に様々なクイズ企画に活用されました。
例えば、クイズの1問目として「ジャンプボールにおいて、どちらの選手がより高く跳んだのか?」という問いが出されました。この問題において、長崎の選手であるエージェー・エドゥ選手は294.9cmのジャンプ高度を記録し、SR渋谷のジョシュ・ホーキンソン選手は282.8cmでした。結果として、正解は「長崎ヴェルカ」となりました。
次のクイズでは、「どちらのチームが皇居を2週分の10kmの走行距離を早く達成するのか?」というもので、これもまた長崎ヴェルカが正解となり、選手たちの走行距離データが活用された結果でした。前半終了時点での最も長い走行距離を記録したのはマーク・スミス選手で、彼は1326mを走破しています。
未来のバスケットボール観戦
トラッキングシステムの導入によって、選手の動きや試合のダイナミクスをデータとして捉えることが可能になりました。このことは、今後の試合における戦略的な分析やファンの視聴体験を向上させることに役立つでしょう。B.LEAGUEでは「世界一型破りなライブスポーツエンタメ」を掲げ、観客に新しい体験を提供できるよう努めています。これにより、ファンの視聴体験がさらにリッチになり、競技そのものが進化していくと期待されています。
B.LEAGUEチェアマン 島田慎二のコメント
島田チェアマンは、「視聴体験のアップデートにより、アリーナでの観戦だけでなく、リモートからの視聴者をも増やしていくことがB.LEAGUEの目指すところです。アリーナとは異なる新しい観戦体験を提供し、多様なファンのニーズに応えられる新たなクオリティを追求していきます」と話しています。
ソフトバンクの取り組み
ソフトバンクのサービス企画本部の関戸淳文氏は、「ICTの力を駆使して、スポーツのデジタルトランスフォーメーション(DX)を進めていきます。競技レベルの向上を目指し、技術を駆使して新たな試合の楽しみ方を提案する予定です」と宣言しています。
今後、B.LEAGUEとソフトバンクが協力して取り組むデータ活用は、バスケットボール界全体に新しい風を吹き込むことでしょう。