心に響く名作が再登場！宮沢賢治と浜田広介の童話集

幼い頃の思い出を辿る新刊の発売

2025年12月25日、株式会社世界文化社から「100年読み継がれる名作」シリーズの最新作が発売されます。このシリーズでは、本邦の文学の巨星、宮沢賢治と浜田広介の魅力的な童話が集められています。子どもから大人まで、何度でも楽しむことができるこのシリーズは、世代を超えて愛されています。

宮沢賢治童話集の収録内容

今回刊行される『宮沢賢治童話集グスコーブドリの伝記・春と修羅（序）など』には、賢治の代表作が多数収められています。130年の生誕を祝う意味も込められたこの作品集には、故郷岩手の文化を描いた「鹿踊りのはじまり」や、精霊的な存在を扱った「ざしき童子のはなし」など、地域色豊かな物語が並びます。また、賢治自身の詩集から「序」と「永訣の朝」も収録されており、彼の哲学的な思索に触れることができる貴重な内容となっています。これらの物語は日下明さんによる印象的な絵と共に提供され、視覚的にも楽しむことができます。

浜田広介童話集の魅力

一方、『浜田広介童話集泣いた赤おに・りゅうの目のなみだなど』も同時発売されます。この集では、広介の生涯に渡る創作活動から選ばれた10篇が収められており、特に「泣いた赤おに」は現在の道徳教育でも使われるほどの名作です。音韻に美しさを持つこの童話を、絵本作家きくちちきさんの柔らかなタッチの絵で楽しむことができます。広介の作品は「声の文学」とも称され、是非、声に出して読み上げながら、心で感じてほしい作品です。

解説ページで深まる理解

巻末には、各作品に対する解説ページも用意されています。日本近代文学研究者の小埜裕二氏と児童文学研究者の宮川健郎氏が、それぞれの作者や作品に関する情報を提供しており、読者がより深く作品の背景や魅力を理解できるようになっています。特に、宮沢賢治の「春と修羅」に関する解説は、賢治の作品が持つ哲学や思想を探るきっかけともなるでしょう。