はじめに
最近、精神疾患の理解を深めるために重要な動きがありました。特定非営利活動法人シルバーリボンジャパン、シルバーリボンの会、一般社団法人Thoughtful Giftの3団体が統合し、精神疾患に対する理解促進および社会的偏見の解消を目指します。これにより、各団体の強みを生かし合い、より効果的な活動を展開することが期待されています。
統合の背景
シルバーリボンジャパンは、1993年に米国で設立されたシルバーリボン運動を受け、2002年から日本でも活動を行ってきました。特に、毎年10月10日の「世界メンタルヘルスデー」に合わせたイベントを厚生労働省と共催し、精神疾患への理解を促進する活動を行っています。一方で、シルバーリボンの会は、統合失調症の当事者とその家族や支援者で構成され、義務教育で精神疾患を教えるという取り組みで注目を集めました。また、Thoughtful Giftでは、精神科入院中の患者に必要な物資を無償提供し、孤立を防ぐ支援を行っています。
こうした活動を通じて、それぞれの団体は精神疾患に対する理解促進に努めてきましたが、より大きなインパクトを生むための統合が決定されました。
統合の目的
統合の目的は、精神疾患に基づく社会的課題の解決と、偏見のない社会の実現です。特に、各団体がこれまで培ってきたリソースやネットワークを相互に活用し、活動の幅を広げていくことを目指しています。具体的には、以下のような取り組みが期待されています。
1.
課題の可視化: 偏見から生じるさまざまな社会問題を明らかにし、より多くの人々に awarenessを持ってもらう。
2.
支援元の開拓: 持続的な活動ができるよう、資金の確保に努める。
3.
事務局機能の強化: 統合後の効率的な運営を保証するために、事務局の機能を充実させる。
これらの施策を通じて、精神疾患への理解を深める社会づくりを進めていくことが期待されています。
統合後の運営体制
統合後の主要な役員は以下の通りです。
- - 代表: 関茂樹(シルバーリボンジャパン)
- - 副代表: 森野民子(シルバーリボンの会)
- - 事務局長: 菊池奈々子(Thoughtful Gift)
これにより、各団体の経験と専門性を活かし、より効果的に活動を進めていくことが確保されます。
今後の予定
統合の具体的なスケジュールとしては、2022年9月1日に三者間の合意書を締結し、2022年12月15日に臨時社員総会を開催する予定です。そして、2023年4月1日に統合の効力が発生します。このスケジュールに沿って、準備が進められています。
また、2022年10月10日には「世界メンタルヘルスデー」の一環として、東京タワーのシルバーライトアップ協賛が行われる予定です。このイベントは、精神疾患への理解促進の重要性を訴えるものです。詳細は特設サイトを通じて確認できます。
終わりに
統合は単なる組織の合併ではなく、精神疾患についての理解を深め、社会的な偏見を無くすための重要な一歩です。今後、3団体は共に力を合わせ、より良い社会を築くための活動を展開していくことでしょう。精神疾患についての理解が広まり、多くの人が安心して生活できる社会を目指し、今後の取り組みに期待が寄せられています。