碧南火力発電所でのアンモニア燃焼実証が国際的賞を受賞
日本のエネルギー産業において、碧南火力発電所4号機で行われたアンモニア燃焼実証試験が、注目の的となっている。この試験は、日本燃焼学会2024年度技術賞及び、日本機械学会2024年度日本機械学会賞(技術)を受賞し、環境に優しいエネルギーの未来を切り拓く重要な成果として評価を受けた。
試験の概要と成果
今回の受賞は、JERAと共同で実施した燃料アンモニアの大規模転換実証試験の成果に基づくものであり、特に燃焼性(安定性やNOx排出濃度)やプラント運用性、安全性などについて良好な結果を得られたことが評価された。例えば、実行した実証試験では、燃料の熱量比を20%に設定した状態での運用が行われた。これにより、火力発電設備の脱炭素化手段としてのアンモニア燃料の20%転換が社会的に実装可能であることが証明された。
IHIは、2010年代半ばからこの新しい燃料を利用するための技術開発を進めており、2017年から2018年度には内閣府の支援のもと、既存の石炭火力発電用ボイラにおけるアンモニア燃焼の実現可能性を調査した。その後、NEDOの支援を受けて、実証試験に向けた準備を行い、2021年度から実験に至った。
安全性と社会的貢献
IHIの燃焼性能の向上に向けた取り組みは、これまでの努力の賜物であり、実証試験の結果は好転を示した。これにより、JERAでは具体的な社会実装の準備が進められており、IHIもその協力に全力を尽くす方針だ。さらに、アンモニアを燃料として扱うための規格や規程の整備にも注力し、安全にアンモニアを活用できる社会システムの構築に貢献することが目指されている。
最終的には、炭素排出を抑制するための新たな手段として、アンモニア燃料の早期普及によってエネルギーの未来に明るい光をもたらす可能性が広がっている。
まとめ
碧南火力発電所4号機でのアンモニア燃焼実証が受賞した二つの賞は、技術開発における大きな一歩を象徴している。この実証試験の成功は、持続可能なエネルギー源としてのアンモニアの重要性を示し、今後の社会におけるエネルギーの選択肢を広げるものとなるだろう。産業全体がこの取り組みを後押しし、環境と経済の両面に貢献できることが期待されている。