地域の魚を活かした新特産品『いちかわのいちくわ』
千葉県市川市に位置する千葉商科大学付属高校の商業科ビジネスコースの生徒たちが、新たな特産品「いちかわのいちくわ」を開発しました。このプロジェクトは、地域の課題魚の有効活用を目指しており、地域の環境問題への関心を高めるとともに、地元経済を活性化させることを目的としています。
市川港の課題魚とは?
「いちかわのいちくわ」は、市川漁港で水揚げされる「サルボウガイ」「クロダイ」「キビレ」の3種を原材料として使用しています。これらの魚は、低い認知度から市場に出回ることが少なく、時には廃棄されてしまうことも多いのです。特にクロダイは、個体数の増加によって海洋生態系に影響を及ぼすことが懸念されています。生徒たちは、これらの魚を使った試みを通じて、認知度向上とともに、海の環境問題にも目を向けてもらうための企画を実施しています。
商品の特徴と開発経緯
「いちかわのいちくわ」は、ぷりぷりとした食感が特徴で、単品で味わうこともさることながら、煮物やおでんなどの料理にもマッチします。和風の出汁と魚介の旨みが素材の味を引き立てます。生徒たちのアイデアが反映され、おいしさを追求しただけでなく、環境問題の解決に寄与する商品としても位置付けられています。
このプロジェクトは、2017年度からスタートしており、これまでに30社以上の地元企業とのコラボレーションを経て、特産品を創出するという目標に向かって活動しています。生徒たちは、実地の企業と連携しながら、社会課題を解決するために努力を重ねてきました。このような活動を通じて、地域資源の重要性を再確認し、今後の持続可能な社会の構築に貢献することを目指しています。
大会出場と販売予定
「いちかわのいちくわ」は、今月11月16日(日)に開催された「LOCAL FISH CANグランプリ2025」の決勝大会に出場し、全国61チームの中から選出されたわずか9チームの一つとして試食販売とプレゼンテーションを行いました。この大会は、高校生が地域の課題魚を利用してオリジナル商品を開発し、競い合う教育プロジェクトです。生徒たちは、他教チームと切磋琢磨しながら、地域の未来を見据えた取り組みを行っています。
さらに、「いちかわのいちくわ」は今後、道の駅いちかわでのイベント出店および冷凍品コーナーでの販売が計画されています。また、11月22日(土)、2026年1月24日(土)、2月7日(土)には、おでんとしても楽しむことができるメニューで、皆さんにお届けする予定です。販売時間は毎回9時から15時までとなりますので、ぜひお越しいただき、地域の味を楽しんでみてください。
今後の展望
生徒たちは、今後も「いちかわのいちくわ」を通して、食材そのものの良さをアピールし、環境問題に対する意識を育む活動を続けていきたいと考えています。この活動が、地元の魚や地元企業の活性化につながることを期待しています。地域の魅力を知り、より良い未来へとつなげていく取り組みを進めていくことで、地域全体の価値をさらに高めていくことでしょう。