高校生の進路選びの実態
株式会社ライフマップが運営する進学情報サイト「コレカラ進路.JP」は、全国の高校生152名を対象に進路に関する調査を実施しました。この調査は、高校生たちのリアルな声を反映させることを目的としており、彼らの進路選びの悩みを探る貴重な機会となりました。
高校生の進路や将来の考え方
調査によれば、54.6%の高校生が「進路や将来を考えることはしんどい」と回答しています。さらに、「とてもしんどい」と答えたのは17.1%、「ややしんどい」は37.5%で、日常生活の中で感じるプレッシャーが進路を考える際の大きな障壁となっていることが分かります。具体的には、親や先生からの質問や、テスト勉強中のストレスがしんどさの主な原因になっているようです。
一方で、45.4%の高校生は「しんどくない」と感じており、彼らの進路に対する考え方には個人差があります。これからの進路支援には、一人ひとりに寄り添う柔軟なアプローチが必要です。
プレッシャーを感じる言葉
次に、進路に関して大人から言われてプレッシャーを感じる言葉について調査したところ、最も多く見られたのは「期待しているよ」という言葉でした。34.9%がこの言葉を挙げ、次いで「将来何になりたいの?」(32.2%)、そして「○○さんはもう進路を決めているってよ」(30.9%)が続きました。このような言葉は、大人の励ましのつもりでも、高校生にとっては負担に感じられるようです。
進路選択を支える人々
進路を選ぶ際に高校生が頼りにしている相手は、家族が42.8%で最も多く、次いで友人(14.5%)、学校の先生(9.2%)となっています。特に最近の傾向として、「推し」(好きなアイドルやキャラクター)やSNSの情報を活用する高校生も増えています。これは、従来の枠を取り外した新たな支えを見つける高校生たちの姿を示しています。
ただし、7.2%の高校生は「頼りにしている人がいない」と回答しており、進路に関して孤独感を抱えていることも大きな問題です。
自分自身を見つめることの重要性
進路に対する「モヤモヤ」も調査で明らかになりました。「周囲と比較してしまうタイプ」と答えた高校生が34.9%、「情報が多すぎて疲れてしまうタイプ」は25.7%でした。SNSなどで再現される他人の成功は、自分と比較するきっかけとなり、逆に自己嫌悪や迷いを生じさせる要因になっています。
高校生たちは、進路選びに関する意見や悩みを持ち合わせており、たとえば、「大学に行きたいけれど、気持ちが揺らぐ」(高校3年生)、「選択肢が多く、どうしたらいいかわからない」(高校1年生)といった声が寄せられました。これは、自己理解を深める時間や、様々な選択肢に触れる機会が求められていることを示しています。
今後の進路支援のあり方
進路選択は単なる情報収集に留まらず、自己を探求する重要なプロセスです。高校生の悩みは非常に繊細で深いため、大人は彼らの声を丁寧に聴き、急かすことなく、寄り添う姿勢が求められます。進路支援が家庭や学校に限定されず、社会全体で高校生をサポートする仕組みが今後益々重要になるでしょう。
調査概要
- - 調査機関: 自社調査
- - 調査対象: 全国の高校生152人
- - 調査期間: 2025年4月1日〜5月30日
- - 調査方法: 高校訪問によるアンケート調査
この調査結果は、高校生がどのような状況に置かれているのかを理解し、進路支援の質を向上させるための一助となるでしょう。