2024年版NPS調査でじゃらんnetがネット旅行業界1位に輝く
NTTコムオンライン・マーケティング・ソリューションが2024年に実施したNPSベンチマーク調査の結果、ネット専業型旅行会社部門で「じゃらんnet」が最も高いNPSを記録し、1位に選ばれました。さらに、調査対象8社の中でのじゃらんnetの評価ポイントなどについて詳しく見ていきましょう。
1. NPSランキングの結果について
調査結果では、じゃらんnetがNPSのトップを占め、得られたスコアは-1.5ポイント、2位は楽天トラベルで-6.6ポイント、3位には一休.comが-8.6ポイントという結果となりました。また、全体のNPS平均は-14.7ポイントであり、トップ企業とのボトム企業との差は32.0ポイントにも上りました。これが意味するのは、ユーザーの期待に応えられた企業と、そうでない企業の違いが明確に表れたということです。
2. ロイヤルティを支える要因
調査において特筆すべき点は、ネット専業型旅行会社全体において、予約や購入のしやすさ、ウェブサイトやアプリのユーザビリティがロイヤルティを高める要因とされていることです。具体的には、「予約・購入のしやすさ」や「ウェブサイトの使いやすさ、わかりやすさ」が特に評価される結果となりました。これによって、顧客は企業に信頼感を抱き、リピート利用につながることがわかります。
3. 旅行比較サイトの影響
旅行業界では、複数のサイトを利用して宿泊施設や航空券を比較することが一般的になっています。このため、NPSのデータを調査したところ、13.4%の利用者が旅行比較サイトを通じて旅行会社を利用したと回答していますが、86.6%の利用者はその会社の公式ウェブサイトやアプリを直接利用しています。興味深いことに、直接購入した利用者のNPSは-7.9ポイントに対し、旅行比較サイトを利用した場合、NPSは-52.8ポイントという大きな差が見られました。
この結果は、旅行比較サイト経由での申込者がロイヤルティを感じにくいことを示唆しています。それによって、個々の旅行会社における問い合わせ対応やアフターフォローの質がロイヤルティの向上に寄与するでしょう。
4. AIの活用状況とその期待
最近では、ChatGPTのような生成AIを使った旅行プラン作成が注目されています。若年層を中心に、旅行会社やメディアのAIサービスを活用するニーズが高まっています。調査によれば、20代以下での導入率は17.8%に達し、他の世代に比べて高い傾向にあります。今後の発展としては、旅行先の観光地を巡るスケジュールの自動作成や趣味に合わせた旅行テーマの提案が期待されています。
5. 推奨度が継続利用意向に与える影響
調査の中で、推奨度の高い顧客は継続利用意向も高いことが確認されました。「推奨者」として分類された利用者の平均スコアは9.6ポイントであり、このことは顧客満足度が高いほど、今後の利用意向にも良い影響を与えることを示しています。具体的には推奨度が上がるほど、同社のサービスを他者に勧めたいと思う顧客が増えていく傾向が見られました。
総括
NTTコムオンラインのNPSベンチマーク調査2024での結果は、ネット専業型旅行会社の顧客ロイヤルティについて多くの示唆を与えるものとなりました。特にじゃらんnetの成功事例は、業界全体におけるサービス向上の重要性を強調しており、各社は今後も顧客の期待に応え、更なるロイヤルティを育むための施策が求められています。