創業80周年を迎える図南木材株式会社の挑戦
図南木材株式会社は2026年2月21日に創業80周年を迎えます。これを節目に、企業の歩みを振り返るだけではなく、建築業界が抱える様々な社会的課題に積極的に向き合うことを宣言しています。この会社は、特に人手不足と木材資源の活用という二つの重要な問題に同時に取り組んでいます。
人手不足と高齢化が進行する建築業界
建築業界では、長年にわたり慢性的な人手不足と職人の高齢化が続いています。国土交通省のデータによれば、大工技能者は1980年代には約94万人いたものの、今では約30万人にまで減少しており、これはおよそ40年間で3分の1の減少を意味します。特に60歳以上の大工が3割を超える中で、若い世代の参入が追いついていません。結果として、大工一本あたりの作業量は1995年に比べ約1.8倍も増加しており、重要な住宅需要の高まりにともない、業界はますます厳しくなっています。
新たに入ってきた若手技術者もその定着が難しく、技術の継承が進まない懸念が高まっています。また、2024年に予定される時間外労働規制の影響で、工期の短縮が求められていますが、現場での人員確保が難しくなる中、事務作業の割り振りが過重な負担となっているのが実情です。
木材資源の未活用な状態
一方で、日本は森林率が約67%と世界的にも豊かな森林資源を持っています。しかし、森林から伐採された木材の中で建築用途として安定的に利用されている割合は限られています。特に非住宅分野における木造建築の割合は低く、国の統計によると、非住宅建物において木造比率はわずか1割未満となっています。
豊富な森林資源があるにもかかわらず、それを有効に活用できていない現実があります。脱炭素社会の構築が求められる中、建築分野でも木材の利用をさらに広げる必要があり、供給問題や設計技術がその障害となっています。
図南木材の挑戦
図南木材は、木材加工を主な事業としており、県内には二つの拠点工場を持っています。近年の課題として、建築用木材の供給を一貫して担うワンストップ体制を強みにしていることから、地域との信頼関係を築いてきました。住宅のさまざまな建築段階を通じて、どこに人手不足が発生しているのか、どの工程で負担がかかっているのかを俯瞰して把握することができます。
具体的な取り組み
1.
建方渡しサービス: 専門チームが建方工程を担い、各現場の人手不足を軽減しています。
2.
屋根パネルの工場生産: 工場で屋根をあらかじめパネル化し、現場での作業を省力化し安全性を向上させています。
3.
設計サポート: 構造計算や省エネ性能に関する申請業務をサポートし、工務店が本来の業務に集中できる環境を構築しています。
木材資源の活用促進
さらに、非住宅における木造建築を推進するため、地域の建設業者と手を組み、木材の活用に向けたセミナーを開催し、技術的不安を解消して選択肢を広げています。また、資源循環の大切さを次世代に伝える木育活動にも積極的に取り組んでいます。
日本の森林は多くの機能を持ち、それを維持するためには国産材の利用が重要です。図南木材は、木材の循環利用を通じてこれらの機能を守る責任を果たしていきます。
80周年を迎えるにあたって
創業80年の節目を迎え、図南木材は改めて地域の建築を持続可能にするための取り組みを強化していく所存です。代表取締役である田之頭隆文は、「社会から必要とされる企業を目指し、地域の課題に寄り添いながら挑戦し続けます」と語ります。
このように、図南木材は創業80年を一つのマイルストーンとして、新たな価値を提供し、持続可能な社会づくりに貢献する決意を持って進んでいます。