映画『まつりのあとのあとのまつり』、その副題にある『まぜこぜ一座殺人事件』が2023年10月18日に全国公開されることが決まり、ポスタービジュアルと場面写真も同時に解禁されました。企画・構成・プロデュースを務めるのは俳優の東ちづる氏で、一般社団法人Get in touchが製作を手掛けています。
本作には、東ちづるが座長を務める「まぜこぜ一座」の多様なメンバーが出演します。出演者たちは、義足や車椅子のユーザー、全盲者、ダウン症患者、聾者、ドラァグクィーン、トランスジェンダー、こびとなど、特性豊かなパフォーマーたちで構成されています。彼らは個性を発揮し、人々を笑わせるエンターテインメントを提供します。物語は、殺人事件を契機にマイノリティパフォーマーたちの本音や疑問、怒り、そして笑いが爆発する様子を描いています。
東ちづる氏は、映画を通じて「どうしてこびとが自粛用語にされるのか?」や「マイノリティパフォーマーに活躍のチャンスがないのはなぜか?」といった疑問を投げかけています。30年の活動を経てもなお残る疑問について、映画を通じて自由な表現を目指し、現実の課題をエンターテインメントとして楽しむことを提案しています。2024年に向けて「ぜひお客さまも『まぜこぜ』で、迷ったら笑ってほしい」と語る東氏の想いが込められています。
脚本は、ドラァグクィーンのエスムラルダが担当しました。エスムラルダはライターや歌手、俳優としても活躍しており、東ちづる氏と共に強いメッセージをエンターテインメントに昇華させました。さらに監督はCMやミュージックビデオ、ドラマを手掛ける齊藤雄基氏で、これが自身初の長編映画となります。
エンディング曲には、三ツ矢雄二や山寺宏一、日髙のり子などの著名な声優11人が無償ボランティアで参加しています。サウンドプロデューサーのYANAGIMANがアレンジを手掛け、作品の特別な雰囲気を引き立てています。一般社団法人Get in touchは、2011年に「まぜこぜの社会」を目指して活動を始め、2017年には「まぜこぜ一座」を立ち上げ、多様な表現を行ってきました。
映画のあらすじは、特性豊かなプロパフォーマー集団「まぜこぜ一座」が舞台『歌雪姫と七人のこびとーず』の公演終了後、打ち上げの席で繰り広げられます。突如、座長の東ちづるが楽屋で他者によって命を絶たれ、その場にいた面々は驚愕します。エレベーターも使えず、外界との連絡も絶たれた状態で、ドラァグクィーンのドリアン・ロロブリジーダが真相を探り始めます。彼女の助手となった義足のダンサー、森田かずよとともに、マイノリティパフォーマーたちの不満を暴きながら、事件は思いがけない展開を見せていきます。
この作品は、ビジュアルやストーリーを通じて、観る人にさまざまなメッセージを投げかけます。10月18日からヒューマントラストシネマ渋谷での公開を皮切りに、全国で順次上映が始まります。ポレポレの精神と共に、笑いと感動を提供する映画、ぜひ観に行ってください。