AR・VRの法的課題を探る新たな取り組み
近年、拡張現実(AR)や仮想現実(VR)技術が進化し、様々な産業での応用が期待されています。しかし、それに伴い新たな法的課題も浮上しています。このような状況下、AR/VR関連の持続可能な発展のために「社会的課題ワーキンググループ(WG)」が設立されました。これは、XR(Extended Reality)に関する法的問題を整理し、解決策を模索するための新たなステップです。
目的と具体的な取り組み
このワーキンググループの主な目的は、AR/VRを社会に普及させるにあたり考慮すべき法制度上の懸念や課題を明確化することです。具体的には、業界内で自主ガイドラインを策定し、行政や関連企業に問題提起を行うことを目指しています。これにより、技術の利用を促進しつつ、ユーザーや関係者の権利を守るためのルール作りが進められます。
最初の取り組み
この最初の取り組みとして、2021年の夏頃までに、ARコンテンツを利用する際に考慮すべきポイントや対策をまとめる予定です。このガイドラインは施設などでのARコンテンツ展開に関連するさまざまな要素を包括的に網羅することが期待されています。
ワーキンググループの参加企業
現在、以下の企業がこのワーキンググループに参加しています:
- - 株式会社電通
- - Graffity株式会社
- - プレティア・テクノロジーズ株式会社
- - 株式会社ホロラボ
- - 株式会社バンダイナムコアミューズメント
- - 株式会社GATARI
- - VBIPジャパン株式会社
これらの企業は、各自の専門知識と技術を持ち寄り、共同で課題解決に向けた取り組みを行います。
座長のプロフィール
このワーキンググループの座長を務める関真也弁護士は、AR/VR、著作権、商標権など知的財産に関わる幅広い問題を扱う専門家です。彼は、東海大学や東京工業大学、日本女子大学などで講師を務めており、法律と技術の交差点に立つ見識を持っています。関弁護士は、過去に経験した国際的な法律事務所での活動も含め、関連分野での専門性を深めています。
XRCについて
この取り組みは、一般社団法人 XRC(XRコンソーシアム)が主導しています。XRCは、VR業界のエコシステムを構築することを目的に2015年に設立され、その後多くの企業と学術機関が参加しています。2021年2月時点で53社が会員として名を連ね、業界全体の発展に寄与しています。
XRCは、オープンな志向を持ちつつ、関心のある企業からの参加を歓迎しており、幅広い意見を取り入れながら問題解決に向け努力しています。
お問い合わせ
AR・VRに関する法的課題に興味を持つ企業や個人は、XRCの公式サイトを通じて参加の申し込みが可能です。今後のこのワーキンググループの活動に注目です!