NEC Orchestrating Future Fundが注目のInvestmet
NECのエコシステム型CVCファンド「NEC Orchestrating Future Fund(NOFF)」が、米国サンフランシスコに拠点を持つハイパフォーマンスコンピューティング(HPC)企業、Rescale社への投資を発表しました。これにより、NECはHPCクラウドサービスの強化と、多様な産業における応用に向けた新たな取り組みを進めることになります。
ハイパフォーマンスコンピューティングの重要性
近年、航空機の流体解析や創薬における分子反応のシミュレーションなど、おぞれらのテクノロジーの発展には高度な計算リソースが必要です。特にCAE(Computer Aided Engineering)は、航空機の設計だけでなく、小型機器や金型設計など様々な分野で広がりを見せています。しかし、これらのシミュレーションは必要に応じて発生するため、年間を通じてコンスタントに計算資源を提供することは難題です。
そこで、Rescale社は、従量課金制のクラウドサービスを取得することで、この課題にアプローチしています。同市場において、ユーザーは初期費用なしで、必要なときに必要なリソースを確保できる環境を提供することに成功しました。これによりクライアントは、流動的なリソース管理が可能になり、計算環境を無駄なく利用することができます。
NECの戦略
NECは、自社のHPCソリューション「LX-neo」を通じて、国内および欧州市場でのさまざまなニーズに応える努力を公開しています。このソリューションは、CPU/GPUやベクトル型コンピュータSX-Aurora TSUBASAを基盤にしており、顧客の多様な運用に応じて最適なプラットフォームを提供しています。
今後、NECはこのファンドからの出資を引き金に、Rescale社のクラウドサービスを提案していくとしています。特に、オンプレミスとクラウドのハイブリッドサービスの可能性についても議論が進行中です。これにより、企業はそれぞれのニーズに応じた柔軟な選択肢を持つことができるようになります。
Rescale社の革新的な特徴
Rescale社のサービスは、以下の特長があります。
1.
クラウドHPC: クラウド上で簡単に計算リソースやソフトウェア環境を選択でき、初期費用ゼロで利用できるため、気軽にHPCリソースを取り入れられます。また、データセンターのロケーションを北米や欧州、日本などから選べるのも特徴です。
2.
データインサイト: データプラットフォームを活用して、生のシミュレーションデータを構造化し、製品開発サイクル全体にわたるデジタルスレッドを提供します。これにより、分析の効率が大幅に向上します。
3.
AI Physicsによる迅速なシミュレーション: AIを使った物理シミュレーションにより、リソースを最大限に効率化し、最大1,000倍のスピードでの予測を実現することが可能です。これにより、従来方式に比べた段違いの効率化が図れます。
まとめ
NECの和田茂己SVPは、「NEC Orchestrating Future Fund」を通じて、先進的な技術でイノベーションを促進することの重要性を強調し、Rescale社との連携を通じた新しい社会価値の創出を期待しています。Rescale社のJoris Poort氏も、エンジニアリングチームが迅速にアイデアを具現化できる環境の必要性を述べ、HPCのインフラを提供することの意義を語っています。
このように、NECとRescale社の関係は、今後の技術発展において重要な役割を果たすことが期待されます。両社の取り組みが、エンジニアリング分野に新たな道筋を切り開くことでしょう。