京都生まれの映画『事実無根』が東京に進出、柳裕章監督の作品

京都生まれの映画『事実無根』が東京に進出

京都府が進める「KYOTO CMEX」の一環として、若手映像クリエイターの支援を目的とする「京都映画企画市」。そのファイナリストに選ばれた柳裕章監督の映画『事実無根』が、地元京都だけでなく東京でも上映されることとなりました。これは、地域の活性化や文化の発信に向けた大きな一歩です。

映画『事実無根』の魅力

『事実無根』は、予測不可能な人生の「事実無根の罪」と、どの家庭にも潜む「家族の問題」をテーマにした作品です。父と娘の物語を、京都のユニークな喫茶店を舞台に描き出すことで、観る者に深い感動を与えます。この作品は、9つの国際映画祭で13の賞を受賞しており、響き渡る評価を受けています。

監督柳裕章氏

柳監督は、令和3年度の「京都映画企画市」においてファイナリストとして名を馳せており、その後の作品『事実無根』を通じて自己のビジョンを実現させました。彼のこれまでの道のりを振り返ると、映画に対する情熱と使命感が伝わってきます。

上映スケジュール

近日中に、京都シネマでの上映が行われ、京都の観客に支持されています。初めは3月6日までの予定でしたが、盛況ぶりから3月20日までの延長が決まりました。さらに、5月10日からは新宿K's Cinemaでも上映が開始される予定です。この充実したスケジュールは、作品の質の高さを証明するものです。

京都映画企画市の意義

「京都映画企画市」は、若手映画制作者が集う時代劇・歴史劇ジャンルの映画企画コンテストです。これまで495企画が応募され、その中から優れた企画が支援されています。代表的なファイナリストとしては、蔦哲一朗監督や安田淳一監督が挙げられます。彼らの作品もまた、全国上映が予定されています。これにより、京都の新たな映画文化が形成されています。

柳裕章監督のコメント

柳監督は「事実無根」という映画の制作を通じて、自らの経験を反映させています。彼は約15年前、東京で助監督をしながら出会った京都の小道具職人との交流から、京都への移住を決意しました。時代劇の技術を学びながら、京都での暮らしが自身の財産となり、映画制作の道へと導かれました。

監督は、映画を作るにあたり「どうしたら他者に想いを伝えられるか」を常に考えるようになったと語っています。彼の経験は、観客へのメッセージを深くし、京都の魅力を映し出す作品へと昇華したのかもしれません。

京都の魅力を伝えたい

『事実無根』には、観光都市として知られる京都の裏側に潜む、彼自身の好きな京都の姿が詰まっています。それを全国の人々に伝えたいという思いが、作品を通じて表現されています。柳監督は、自らの映画を京都の人々に観てほしいと願っています。様々な人々との出会いや、京都という土地に触れながら彼が築き上げた作品は、多くの観客に感動を与えることでしょう。