量子コンピュータの未来を切り拓くQunaSysが17億円を調達
量子コンピュータ向けアルゴリズム・ソフトウェアを開発する株式会社QunaSysが、総額17億円の資金調達を実施しました。リードインベスターに選ばれたのはスパークス・アセット・マネジメントで、その他にも多くの企業が出資しました。この資金は、QunaSysがさらなる事業推進、業界の発展に向けた活動を行うための重要な資源となることでしょう。
資金調達の背景
最近数年で、量子コンピュータに対する関心は高まりを見せています。特に2019年以降は、各国政府や産業界が積極的に投資を行い、量子コンピュータの実用化に向けた技術開発が進展しています。2023年には世界の主要企業が誤り訂正技術の実証に成功し、量子コンピュータの実現に近づいています。QunaSysはこの流れの中で、量子コンピュータの産業応用に力を入れ、様々な企業や研究機関との共同研究を進めています。
QunaSysでは、例えば量子アルゴリズムの開発を進め、独自の量子化学計算手法「QSCI」を開発。さらに、CAエンジニアリングに期待される新たな応用方法の開発にも注力しています。量子コンピュータの利活用を促進するために、量子計算ライブラリ「QURI Parts」や「QURI SDK」の導入も進めているのです。
今後の展望
この資金調達によって、QunaSysは量子産業の進展をさらに加速させる考えです。「量子コンピュータが産業に貢献する未来を切り開く」とのビジョンのもと、様々な企業と連携し、実際の産業課題を解決するための技術開発を進めていくとしています。
また、QunaSysは今年、デンマークに拠点を設立し、欧州市場の開拓を進めているとのことです。これにより、より多くの顧客層へのアプローチや新しい応用領域の展開に期待が寄せられています。量子コンピュータの使用可能性が広がることで、関連する産業にも革新がもたらされるでしょう。
投資家のコメント
今回の調達に際し、各投資家からは期待の声が寄せられています。スパークス・アセット・マネジメントの物河氏は、「QunaSysは国内の量子産業の発展に大きく貢献しており、彼らの技術に投資できたことを嬉しく思います。」とコメントしました。さらに大阪大学ベンチャーキャピタルの清水氏も、「彼らの量子アルゴリズム開発は、社会に大きな恩恵をもたらすでしょう。」とその成長に期待を寄せています。
QunaSysについて
QunaSys自体は、量子物理学の利活用を目指して設立された企業です。その目標は、量子コンピュータの能力を最大限に引き出すための製品を提供すること。アルゴリズムやソフトウェアの進化を追求し、量子コンピュータの社会実装を実現することで、様々な産業に貢献することを使命としています。
今後もQunaSysの動向に注目です。量子コンピュータの未来がどのように変わっていくのか、その一翼を担う企業としての期待が高まっています。