川南町の未来を紡ぐ「茶畑図鑑」プロジェクトに迫る

驚きの生態系

宮崎県児湯郡川南町に位置する有限会社大塚園は、1929年の創業以来、地域と共にお茶づくりを行ってきた古き良き茶園です。茶畑は東京ドーム5個分以上の広さを誇り、ここで育まれるお茶は味わい深く、地域にとっても重要な存在となっています。しかし、近年、日本茶業界は深刻な課題に直面しています。後継者不足や気候変動などの影響で、茶畑の減少が進んでいるのです。

持続可能な農業への転換

大塚園は「カラダ、地域、地球環境を健康にする」をテーマに、持続可能な農業への転換を進めています。有機農法への移行はその一環で、地域の未来を守ることを目指しています。その努力の中で得られた知見や課題を次世代に伝えるため、「茶畑図鑑」プロジェクトが誕生しました。これは茶畑のエコシステムを美しくイラスト化し、次世代にその魅力を伝えることを目的としています。

クラウドファンディングでの支援

「茶畑図鑑」プロジェクトは、クラウドファンディングサイト「READYFOR」で2024年12月27日まで支援を募集中です。支援者には「茶畑図鑑」とともに、有機JAS認証を受けたお茶セットが贈られる特典が用意されています。この資金は図鑑の印刷や返礼品のお茶の手配、さらには環境に配慮した包装資材の費用などに使われます。

茶畑図鑑のコンセプト

「茶畑図鑑」は、自然と生き物たちとの共存の重要性を示す絵本として制作されます。地球温暖化や気候変動の影響で、有機農法を選んだ結果、茶畑には多様な生物が戻り、循環する自然の美しい光景が広がっています。この図鑑は、茶畑に生息する微生物や昆虫、さらには鳥たちの命のつながりを、温かみのあるイラストで表現し、楽しみながら自然の仕組みを学ぶことができる内容となります。

デザインには農業を学んだデザイナー渡辺祐亮氏が手がけ、監修には有機農業を研究する大野和朗教授が参加しています。これにより、科学的な信頼性とも得られ、自然との共存に関する強いメッセージが込められるのです。

応援メッセージ

このプロジェクトには、多くの方々からの応援が寄せられています。代表的な意見を紹介します。「大塚園の有機農法への挑戦に期待しています。茶畑の魅力を伝える「茶畑図鑑」が多くの人に届くことを心から願います」といった声や、「自らの経験から、大塚園が描く未来のビジョンに深く共感しました」といったコメントが多く寄せられています。これらの応援が、プロジェクトの実現に向けた大きな力となることでしょう。

プロジェクトの意義

「茶畑図鑑」は、95年の歴史を持つ大塚園が有機栽培によって実現した、自然と共存する茶畑の姿を未来に伝える道具です。土地や環境、人々の健康を守り、豊かな自然を次世代へと引き継ぐことがこのプロジェクトの根底にあります。多様な生き物たちが息づく茶畑の様子を、新たな形で多くの人に届けることで、次世代の意識を高め、環境保護の重要性を広めることを目指しています。