住友林業、インドネシアで木質ペレット製造・販売に進出
住友林業株式会社は、持続可能なエネルギー供給を目指し、インドネシアにおいて木質ペレットの製造・販売事業を始めることを発表しました。今年9月から試験生産を開始したのは、合弁会社のPT. Biomassa Lestari Nusantara(BLN社)です。この取り組みは、日本国内のバイオマス発電所に向けた木質バイオマス燃料の安定供給を実現するものです。
事業の概要
BLN社はインドネシア中部ジャワ州に位置しており、住友林業グループが製造したペレットを日本国内の需要家へ供給します。今後5年間で年間生産量を12万トンに増強する計画があり、持続可能なエネルギー供給を支える体制を整えています。
BLN社は、地元の木材加工工場や森林から供給される未利用資源を用いて木質ペレットを製造し、地域の資源を最大限に活用します。住友林業は品質管理と販売を担当し、安定した供給体制を整えることで、突発的な外部の影響を受けずに事業を運営することを目指しています。
需要の高まり
経済産業省の「第6次エネルギー基本計画」では、2030年度に向けてバイオマス発電の比率が引き上げられる方針が示されています。この計画により、木質ペレットの需要が拡大することが期待されています。最近では、国際情勢の影響で燃料供給が不安定になる中、木質ペレットの重要性が一層高まっています。
合弁会社の設立背景
住友林業とDSNグループは、1990年代からの長期的なパートナーシップを持っています。新たに加入した木質ペレット事業により、再生可能エネルギーの領域でも共に取り組んでいく予定です。
合弁会社の基本情報
- - 会社名: PT. Biomassa Lestari Nusantara
- - 所在地: インドネシア中部ジャワ州ボヨラリ県
- - 設立: 2023年4月
- - 資本金: USD12百万
- - 生産能力: 第1フェーズで年間6万トン、第2フェーズでは12万トンを予定
- - 原材料: 地元の木材加工工場からの廃材や未利用資源
このような背景から、住友林業はスムーズな生産体制を整え、安定供給を図っています。長期的な視野に立った事業戦略を通じて、カスケード利用を積極的に推進しており、木材の価値を最大限に引き出すことを目指します。
未来への展望
住友林業は、「Mission TREEING 2030」というビジョンを掲げ、木を基盤とした事業で脱炭素化を促進することに注力しています。木材の利用を拡大し、他の材料から木材へと代替することを通じて、持続可能な社会の実現に寄与していく予定です。
今後、住友林業の木質バイオマス事業がどのように発展していくのか、注目が集まります。試運転開始を祝うセレモニーも行われ、総力を挙げて事業の成功に向けて進む姿勢が見受けられました。