東京都心のオフィスマーケットについての最新動向
三幸エステート株式会社が発表した2025年2月度のオフィスマーケットレポートでは、東京都心5区(千代田区、中央区、港区、新宿区、渋谷区)及び全国の6大都市における大規模ビルの空室率と潜在空室率が6ヶ月ぶりに上昇したことが示されました。このデータは、東京都心のオフィス市場の現況を浮き彫りにし、今後の動向についても示唆を提供しています。
空室率と潜在空室率の上昇
発表によると、空室率は前月比で0.22ポイント上昇し、3.58%に達しました。この空室率の上昇は、新たに竣工した複数のビルが空室を抱えていることが主な要因です。しかし、成約に向けた交渉が進行中の物件もあるため、今後の空室消化が期待されています。また、潜在空室率も前月比で0.33ポイント上昇し、5.59%に達しました。これらの数値は、市場の供給過剰が顕著になってきていることを示唆しています。
募集賃料の持続的な上昇
一方で、募集賃料は15ヶ月連続で前月比が上昇または横ばいを維持し、上昇傾向が続いています。この背景には、特に品薄感の漂うエリアでオーナーが賃料を引き上げる動きが見られることがあります。このような変化は、テナントにとっては負担増を意味しますが、積極的な成約活動によってある程度は緩和される可能性も考えられます。
リーシング活動の拡大傾向
成約面積は2024年に年間約52万坪に達し、前年の約47万坪を上回る見通しです。この成約面積が50万坪を超えるのは2014年以来のことであり、これによりリーシング活動の活発化が示されています。2023年から4年連続で前年対比プラスを記録しており、市場が健全な回復に向かっている兆しが見えてきました。
今後の見通し
アナリストによると、2024年の初めには、大量供給された前年に竣工したビルに8万坪以上の募集床が残っていたとされています。これらの新築ビルに加え、建築中のビルでもテナント誘致が進んでいることが、成約面積の増加を後押ししています。コロナ禍以降、高価格帯の新築・建築中ビルのテナント募集が長期化する傾向が見られましたが、現在はその活動が再び活発になっています。
まとめ
総じて、東京都心のオフィスマーケットは、新築ビルの影響で空室率が上昇したものの、リーシング活動の活発化が続いており、今後の動向に注目が集まっています。三幸エステート株式会社は、企業のオフィス戦略を支援し、適切なワークプレイスの選定から賃貸契約に至るまで、幅広いサービスを提供しています。今後の市場動向を見据えた積極的なアプローチが求められています。