出光興産、ベトナムに新たなバイオマス燃料工場を開設
出光興産株式会社は、2023年10月8日、ベトナムのザライ省に世界最大規模のブラックペレット(BP)生産工場の商業運転を始めました。この工場は、同国初のBP生産施設で、年間12万トンを生産する能力を持っています。出光興産が供給する商品名「出光グリーンエナジーペレット™(IGEP)」は、主に日本国内の顧客による石炭の代替として利用される予定です。
ブラックペレットとは?
BPは、樹木やその他のバイオマスを加熱処理して製造されるエネルギー資源で、燃焼時にはCO₂を排出しますが、その原料である植物は成長時にCO₂を吸収するため、トータルで見ればカーボンニュートラルと位置付けられています。特にIGEPは、石炭を使用している顧客の脱炭素ニーズに応える商品として注目されています。
デモプラントからの成果
出光興産は、2020年よりベトナムで小規模なデモプラントを運営し、日本国内では約20社の顧客にIGEPを試用してもらい、その効果を実証してきました。このBPは、一般的に普及している木質ペレットを半炭化させた高カロリー燃料であり、石炭に近い特性を持つため、顧客が使用する際に大規模な設備改造を必要としません。これにより、スムーズな燃料転換が実現されます。
2030年ビジョンに向けて
出光興産は、2030年ビジョン「責任ある変革者」を掲げ、年間300万トンのBP供給を目指しています。この新工場の稼働により、エネルギーの安定供給を維持しつつ、石炭の使用を減少させることに貢献していく考えです。また、工場の立ち上げにより、地元の雇用創出や持続可能な森林利用にも寄与し、ベトナム社会の発展にも積極的に関与する方針です。
今後も、出光興産は環境に配慮したエネルギー供給を拡大し、持続可能な社会を実現していくことを目指しています。これからの出光興産の展開に注目です。