オラクルが提案する新しいネットワーク・セキュリティのあり方とは
オラクルが提案する新しいネットワーク・セキュリティのあり方とは
オラクルは、2024年9月11日、ラスベガスで開催された「Oracle CloudWorld」において、クラウドインフラに関する重要な発表を行いました。その中でも特に注目を集めたのは、「Oracle Cloud Infrastructure (OCI) Zero Trust Packet Routing」という新機能です。この機能は、ネットワーク・アーキテクチャとセキュリティを分離することで、データへの不正アクセスを防止することを目的としています。
「OCI Zero Trust Packet Routing」の背景
近年、クラウドサービスの利用が加速する中、企業はそのセキュリティを見直す必要に迫られています。しかし、従来型のセキュリティ対策ではネットワーク構成が複雑化し、一度の設定ミスが重大なセキュリティ侵害を引き起こす可能性があります。オラクルは、これらの課題を解決するために「OCI Zero Trust Packet Routing」を導入しました。
新機能の主な特徴
この新機能のメリットは、機密データがネットワーク内を移動する際に明確な許可がなければ移動できないという点です。これにより、企業はデータ保護を強化し、ハッカーがネットワークに侵入するリスクを大幅に削減することができます。
また、Applied Inventionとの協力により開発されたこのオープン・スタンダードは、企業が自らセキュリティポリシーを設定できる柔軟性も持っています。ポリシー記述は自然言語で行えるため、専門知識がないスタッフでも容易に運用可能です。
市場における影響
IDCのシニア・リサーチ・マネージャーであるフィリップ・ビュース氏は、「クラウドが進化する中で、企業はこれまで以上にネットワークのセキュリティを見直さざるを得ない」と述べています。彼によれば、OCI Zero Trust Packet Routing導入により、人為的なミスによる安全リスクが軽減され、コンプライアンスの強化にも貢献するとのことです。
企業がこの技術を利用するメリット
1. セキュリティ対策の改善: OCIを利用する企業は、不正アクセスの試みを未然に防ぎ、限られた経路のみでデータにアクセスできるように設定可能です。
2. コンプライアンスの簡略化: 自然言語でポリシーを記述することにより、監査に必要な証明を迅速に行えるようになります。
3. セキュリティ管理の簡素化: セキュリティ属性に基づいた自動ポリシー適用が可能となり、管理業務が効率化されます。
結論
オラクルが提唱する「OCI Zero Trust Packet Routing」は、企業がクラウド環境においてネットワークセキュリティを一新するための重要な道筋を示しています。この新しいアプローチにより、クラウドサービスの利用者はデータ保護とアクセス管理の両面で、より強固な体制を整えることができるでしょう。
オラクルのグローバル最高情報責任者、ジェイ・エバンス氏もこの技術の重要性を強調しています。「OCI Zero Trust Packet Routingを活用することで、組織はデータのセキュリティをより効果的に管理し、悪意ある攻撃から身を守ることが可能となります」と述べています。
本機能の導入により、今後のクラウドセキュリティのスタンダードが形成されていくことが期待されています。
会社情報
- 会社名
-
日本オラクル株式会社
- 住所
- 東京都港区北青山2-5-8オラクル青山センター
- 電話番号
-
03-6834-6666