LIXILの男性育休取得促進で新たな社会モデルを提案
LIXILは、男性育児休業取得が当たり前の社会を目指し、積水ハウスが提唱する「IKUKYU.PJT」に賛同しています。このプロジェクトは、企業が業界の垣根を超えて育休取得に向けたアクションを起こすことを目的としています。特に、育児休業を取得することに対する理解を深め、男性が育児に積極的に関与できるよう支援する取り組みが進められています。
ダイバーシティと育児制度の拡充
LIXILは「世界中の誰もが願う、豊かで快適な住まいの実現」という目的のもと、多様なニーズに応じた革新的な製品やサービスの提供に努めています。その一環として、社員全員が働きやすい職場環境を整え、高いパフォーマンスを維持できるよう支援しています。
本社では2030年までにインクルージョンの文化を確立し、特にジェンダーの不均衡を解消するための具体的な目標を掲げています。これにより、ダイバーシティ&インクルージョン(D&I)戦略を基にした施策を実施し、幅広い人材の活用を目指しています。
男性育児休業の取得率向上
LIXILでは、男性従業員の育児休業取得を促進するための制度が設けられています。2022年4月の改正育児介護休業法により、男性も育児休業を取得しやすくなる環境が整備されましたが、LIXILではこの法改正より前から「ぱぱの子育て休暇」という制度を実施しています。この制度では、配偶者の出産に際して、男性従業員が有給で育児休暇を取得することが可能です。
育児休業の取得率は年々向上しており、2020年度の51%から2024年度には87.3%に達する見込みです。企業全体では2025年までに取得率100%を目指しており、毎月19日を「育休理解促進日」と定め、男性の育児休業に対する理解を深める活動を行っています。
様々なサポート制度の提供
LIXILでは、育児と仕事を両立させるための多様な制度を設けています。育児休業は子が3歳になるまで取得可能で、さらに「ぱぱの子育て休暇」や時短勤務制度なども提供されています。特に、「ぱぱの子育て休暇」は子が1歳になるまでの間に10日間の有給取得が可能であり、育児の準備や実際の育児に直接かかわるチャンスを提供します。
養育に関する相談窓口も設置しており、育児休業取得前の準備や申請方法についての相談が可能です。これにより、育児休業に不安を感じる社員が安心して制度を利用できる環境を整えています。
育児中の従業員の声
育休を取得したデジタル部門の葉原東昇さん(2023年に3ヶ月取得)は、育休制度の浸透と周囲の理解が進んだと感じており、「父親としての貴重な体験ができた」と語っています。彼は、育児休業中に子どもの成長を身近で感じることができ、妻と一緒に育児の悩みを分かち合えたことが大きな喜びであったと述べています。こうした成功事例が、他の従業員の育児休業取得を促すきっかけとなります。
未来に向けて
LIXILは、今後も性別や障がい、国籍に関わらず、誰もがその個性を発揮できる職場を目指し、ダイバーシティ&インクルージョンを推進していきます。多様な観点を取り入れることで、様々なニーズに応じた革新と持続可能な成長を実現することが期待されています。また、「IKUKYU.PJT」によって、男性育児休業の普及を通じて、社会全体の意識改革にも寄与すべく活動を展開していく考えです。