メルカリの新たな挑戦:組織文化を育む言語戦略
株式会社メルカリのLanguage Education Teamに所属する親松雅代氏による著書『組織文化をつくる言語戦略』が、2025年に公開される。この書籍は、外国籍社員の割合が全体の約30%で、55カ国以上の国籍を持つ従業員が活躍するメルカリにおいて、どのように言語教育が設計され、その結果として組織文化が築かれているのかを深堀りした内容だ。
近年、生成AIの進化に伴い、言語の壁は徐々に解消されつつあるが、言葉の違いの背後には価値観や考え方の齟齬が潜んでいる。この問題に対処するため、企業はどのように向き合っていくべきかが、本書の中心テーマである。多様な人材が協働する環境下において、全ての従業員が共通の認識を持つことが求められている。
言語教育の重要性
本書では、組織にとっての言語戦略が経営課題であることを強調している。特に、インクルージョンと意思決定におけるコミュニケーション施策が、どのように企業の成長に寄与するかを解説している。この重要なプロセスを経て、言語教育が単なる研修ではなく、戦略的取り組みとして位置づけられる。
コンテンツの概要
本書は5つの章から構成され、それぞれが異なる視点から言語戦略の実践に迫っている。各章には専門家との対談が含まれており、多角的な視点でテーマが展開される。
外国籍社員の採用後に生じるギャップに対処するため、研修設計の見直しと学習デザインが求められる。
対談相手:来嶋洋美氏(日本語教育専門家)
言語習得プロセスを踏まえ、合理的かつ効果的なコミュニケーションの実現に向けた提案を行う。
対談相手:藤原康弘氏(名城大学教授)
「やさしい日本語」の普及に向け、日本人の言語観を問い直す重要な章。
対談相手:庵功雄氏(一橋大学教授)
言語教育がどのようにインクルージョン施策に寄与するかを深く探求する。
対談相手:山本志都氏(東海大学教授)
- - 第5章:人材開発と組織開発の両輪で考える言語教育
経営施策と結びつけた言語教育の重要性を説く。
対談相手:中原淳氏(立教大学教授)
まとめ
新刊『組織文化をつくる言語戦略』は、外国籍社員が活躍する環境での言語教育のあり方を模索する一冊となるだろう。日本における多国籍企業が直面する課題を言語の観点から解決することを目指した本書は、今後のビジネスシーンにおいて、非常に価値のある情報を提供する。経営者から人事担当者、さらには教育関係者まで、広く読まれることが期待される。
刊行は2025年9月30日、定価は2240円(税込)で、246ページにわたり、言語戦略の新たな視点を提示する。