伊賀市の再生したミュージックサイレン
昨年10月、伊賀市の旧上野市庁舎に設置されているミュージックサイレンが故障し、運転を停止しました。このユニークな音楽時報装置は、戦後から続く歴史的な背景を持ち、人々の生活に心を和ませてきました。しかし、修繕を経て、このたび再び音を響かせることが可能となりました。
ミュージックサイレンとは?
ミュージックサイレンは、音楽を利用した時報装置として開発され、全国に多くの例があります。その中でも、伊賀市にあるミュージックサイレンは特に珍しく、同型の機器で現在も運転を続けているのは大分市の一か所のみとされています。音色が持つ特別な魅力は、この装置の存在意義を物語っています。
修繕の経緯
ミュージックサイレンの故障後、地域の技術者と市内電気事業者が協力して問題の解決に取り組みました。製造メーカーのサポートが終了していたため、原因の特定や修繕方法の検討には多くの時間を要しました。経年劣化に伴う部品の交換も難航し、維持管理には課題が山積しています。ですが、専門家の助言を受けながら、地域の皆さんに音楽を届ける努力を続ける意志は揺るぎません。
吹鳴の時間と音楽
新たに運転が再開されたミュージックサイレンは、毎日、決まった時間に自動運転で音色を響かせます。具体的には、正午には芭蕉の「さまざまのこと思い出す桜かな」が流れ、午後6時には新世界より「家路」が奏でられます。これらの曲は、多くの人々にとって親しいメロディであり、日々の生活に彩りを添えています。これからも、伊賀市のこの特別な文化財としての役割を果たし続けていくことに期待が寄せられています。
文化財としての重要性
昭和34年に初めて産業会館に設置され、その後昭和57年には上野市役所に移転されました。そして、令和6年には伊賀市指定文化財として、その重要性が再確認されました。このミュージックサイレンはただの装置ではなく、地域の歴史と人々の思い出が詰まった貴重な存在なのです。
今後の展望
市当局は、今後もミュージックサイレンの維持管理に取り組み、地域の皆さんに音楽を届けていくことを約束しています。運転再開と共に、多くの人が再びこの音色を通じて地域の文化を感じ、日々の生活に小さな幸せを見つけることができるよう願っています。
【問い合わせ先】
伊賀市産業農林部中心市街地推進課
電話:0595-22-9825
この機会に、伊賀市のミュージックサイレンをぜひ体験してみてはいかがでしょうか。私たちの生活に色を添える音楽の力を改めて感じることができることでしょう。