玄米中心の和食が腸内細菌叢に与える影響
シンバイオシス・ソリューションズ株式会社とあしかりクリニックが共同で実施した最新の研究により、玄米を中心とした和食が高齢の日本人女性において健康的な腸内細菌叢の形成に寄与することが明らかになりました。この研究成果は国際学術誌『Nutrients』にて2026年1月に発表されたもので、腸内細菌叢、通称腸内フローラと疾病の関連性に関する深い洞察を提供しています。
背景
高齢化が進む日本において、いかに健康で長生きするかが社会的な関心を集めています。最近の研究では、腸内細菌叢の状態が私たちの健康に大きな影響を与えることが示されており、腸内細菌の異常(ディスバイオシス)が様々な疾病、例えば2型糖尿病や大腸がん、心血管疾患などの発症や悪化に関与することが分かっています。
そこで、腸内細菌叢の健康を維持するためには、日々の食事が重要であるという考え方が広まり、特に伝統的な日本の食文化である『食養』に注目が集まっています。
食養ダイエットとは?
食養は19世紀の食医、石塚左玄によって提唱された食と健康の調和を重視した思想です。本研究では、NPO法人日本綜合医学会が推奨するこの食養に基づいたダイエット法を食養ダイエットと名付け、玄米、野菜、豆類、魚、発酵食品、海藻などを主要な食材とし、食物繊維を豊富に含む食事として位置づけました。
高齢の女性にとって、食養ダイエットは非常に実践しやすく、多くの方が成功裏に取り組んでいます。
研究方法と結果
本研究では、食養ダイエットを長期間続けている60から79歳の日本人女性19名を対象とし、彼女たちの腸内細菌叢の構成を通常の日本食を摂る健常者グループ19名および、非健常者グループ31名と比較しました。結果、食養ダイエットグループの腸内細菌叢と健常者グループとの間には有意な違いは見られなかった一方で、非健常者グループとの間には顕著な違いが確認され、健康的な腸内細菌叢が形成されていることが示唆されました。
具体的には、食養ダイエットグループにおいては、健康に良いとされる酪酸産生菌が多く存在し、逆に健康リスクをもたらす腸内細菌が少ない傾向が見られました。
食養ダイエットの重要性
この結果から、食養ダイエットが腸内細菌叢の健康維持や関連する疾病の予防に寄与する可能性が示されました。また、食養ダイエットを続けていても、全ての疾病から守られるわけではありませんが、腸内細菌叢の構成を健全に保つ手助けとなる要因となり得ます。
多様な食事選択肢が存在する現代、日本人、特に高齢者にとっては、食養ダイエットを貫くことが、健康的な腸内細菌叢を形成するための実践的なアプローチとなるでしょう。その実践のしやすさと日常食としての受け入れやすさは特筆すべき利点です。
今後の展望
本研究は、食養ダイエットが腸内細菌叢の健康的な状態を維持するための有望な食事法であることを示しています。今後は、特に腸内細菌叢の異常を改善し、健康の維持に向けて食事療法としての利用が期待されています。研究の結果は、食養ダイエットを実施する際の参考情報として活用されることでしょう。また、腸内細菌叢の解析によって、個々の方が自分に合った食事法を見出す手助けになることが望まれます。
引き続き、シンバイオシス・ソリューションズ株式会社は、腸内細菌叢の研究とその応用を進め、より多くの人々の健康維持に寄与することを目指していきます。