鹿嶋市でプラスチック容器の循環を促進する新たな試みとは

鹿嶋市でプラスチック容器の循環を促進する新たな試み

茨城県鹿嶋市が、リファインバース株式会社、三菱ケミカル株式会社、東洋製罐グループホールディングス株式会社、キユーピー株式会社、株式会社カスミの6社と共に、プラスチック容器の循環を目指す包括連携協定を2023年2月14日に締結しました。この取り組みは、「プラリレープロジェクト」と称され、各社が役割を分担しながらプラスチックのリサイクルを推進します。

プラスチック容器リサイクルの必要性

近年、プラスチックの使用量が増加する中で、環境問題が深刻化しています。特にプラスチック包装容器のリサイクルは、持続可能な環境を形成する上で重要な課題として捉えられています。しかし、プラスチック容器は見た目が似ていても素材が異なるため、従来のリサイクル方法では難しさが伴います。このような背景から、鹿嶋市と各企業は共同で新たなリサイクルの仕組みを確立することを決めました。

「プラリレープロジェクト」の具体的な取り組み

このプロジェクトでは、2025年夏を目途に、鹿嶋市内で排出された使用済みプラスチックをリファインバースが回収・一次加工し、三菱ケミカルによって新設されるケミカルリサイクルプラントで再資源化を行います。再生されたプラスチックは、東洋製罐グループで容器として製造され、キユーピーで製品に加工され、最終的にカスミで販売される流れが構築されています。これにより、プラスチックの循環を実現するための実証実験が行われるのです。

具体的な対象商品としては、ドレッシングのキャップや中栓が選ばれています。プラスチックの回収実験は鹿嶋市内の小学校で行われ、子どもたちにリサイクルの重要性を学んでもらう機会ともなります。回収されたキャップや中栓はリファインバースで一次処理された後、三菱ケミカルによって油化され、さらには樹脂化されるプロセスを経て再び製品化されます。試みの一環として、システムの輪を市民が感じられるよう工夫されています。

持続可能な社会に向けた取り組み

このプロジェクトには、地域と連携しながら進めていく方針があり、鹿嶋市内の公立小中学校を対象としたプログラムも計画されています。リサイクルに対する意識を高めるため、プラスチック資源についての教育や、各企業のプラント見学などが実施される予定です。また、2026年3月には取組の結果をもとに、6者共同で「プラスチック容器の循環に関する検証レポート」を発表する計画もあります。

今後の展望

本プロジェクトは、特定地域内でのクローズドループの実現に向けての重要なステップです。実証実験を通じて明らかになるであろう課題や必要な改善点を基に、新たなリサイクルのルールづくりを進めていく意向が示されています。持続可能な未来を築くため、地域の企業と自治体が協力して新たな試みに挑戦する姿勢は、多くの注目を集めることでしょう。この取り組みが成功すれば、他の地域への波及効果も期待されます。