五十嵐美幸シェフが熱海に挑む新業態「美虎銀座」

料理界の第一線で活躍する五十嵐美幸シェフが、新たな挑戦を通じて静岡県熱海市に移転した「美虎銀座」。コロナ禍で変わりゆく飲食業界の中、シェフが描く新しい料理の形とは一体どのようなものなのでしょうか。

新たなスタイルの誕生

キッチンから食卓へ――。五十嵐シェフは、コロナウイルスの影響により大きな制約を受けた飲食業界において、自身のスタイルを見直す必要に迫られました。「料理とは“人生”」という信念が揺らぎそうになる中、彼は新たな形態を模索し、温かい料理を家庭にも届けるための手段を考え出します。これが「通販」「テイクアウト」「イートイン」の三つを組み合わせた新業態「美虎銀座」です。

この新店舗には、料理の提供だけでなく、メニュー開発を行うセントラルキッチンも設置され、今後の展開が期待されています。特に「通販」で全国に料理を届ける体制が整うことは、シェフにとって大きな喜びでしょう。

熱海での復興支援

今、彼女が熱海市を選んだ理由は、ただ地元への親しみだけではありません。2021年に起きた豪雨による土石流で多くの方が被災した熱海市を支援し、復興に貢献したいという強い思いが込められています。特に、今までの業態を維持しながら新たな形を模索することで、地域の方々に「食」という形で絆を築くことを目指しています。

彼女のもとでは、「寄付付きシュウマイ」が提案されています。シュウマイ一個あたり10円が被災した熱海市に寄付されるこの商品は、通販やテイクアウトで購入することが可能です。

「食べることは、応援につながる」という想いが込められています。これは食を通して地域と人々の絆を深め、心温まる体験を届けるものです。

熱海シュウマイの魅力

新たに開発された熱海シュウマイは、五十嵐シェフ自身が熱海をイメージして創作した一品。日本の酒の文化を取り入れたこのシュウマイは、油揚げで包まれ、旨味を逃さずに閉じ込めています。また、その味わいはどこか郷愁を感じるもので、初めて食べるのに懐かしい気持ちにさせてくれます。

特に「五目シュウマイ」や「エビチリシュウマイ」など、バラエティに富んだラインナップが揃っており、贅沢なひとときを提供します。さらには、通販用のパッケージデザインにも工夫を凝らし、手土産やギフトとしても喜ばれるものに仕上げられています。

熱海でのフードロス対策

注目すべきは、五十嵐美幸シェフが熱海での「フードロス対策」にも着目していることです。特に、「未利用魚」を積極的に使用することで、捨てられがちな魚を食材として再活用し、新しい魅力を引き出しています。中華の技法を用いてこれらの素材を生かし、環境にも配慮したメニュー作りを進める姿勢は、多くの人に感動を与えています。