企業オフィスでアートとの新しい接点を創出
近年、アートとビジネスの関係性が再評価されています。その象徴的な取り組みとして、「CVJ Workplace Art Project」が立ち上がりました。このプロジェクトは、企業内でアート作品の展示や販売を行うことを目的としており、社員や企業関係者にアートを身近に感じてもらう念いがあります。
アートとビジネスの融合
『世界のエリートはなぜ「美意識」を鍛えるのか?』などの書籍のヒットに見られるように、アートがビジネスに与える影響は無視できないものとして認識されています。スタンフォード大学でもアート思考を取り入れたワークショップが展開され、アートの力をビジネスやイノベーションに活用するための議論がますます活発になっています。この流れの中で、「アート×ビジネス」がトレンドとして存在することは明白です。
ところが、一般の人々が現代アートに触れる機会は意外と少ないのが現状です。印象派や国宝展示などの大規模な展覧会には参加するものの、日常的に現代アートに接する機会は限られています。プロジェクトの主催者は、アートとの親密な接触が現代アートの持つ力を理解し、「アート×ビジネス」の発展に寄与することを信じています。
CVJの目指すもの
カルチャー・ヴィジョン・ジャパン(CVJ)は、本プロジェクトを通じて、企業の社員がアートやアーティストと身近に接触することによって、企業内の創造力を高める機会を提供したいと考えています。また、若手のクリエイターやアーティストが企業のオフィスで作品を展示したり販売したりすることで、その活動範囲を広げ、日本のアート市場の拡大にも寄与したいという願いがあります。プロジェクトの第1弾では、展示・販売に加えて、アーティストの滞在制作やトークイベントなど、多彩なプログラムを通じてアートに対する興味を深めてもらうことを目指しています。
展示の詳細と参加アーティスト
第1弾プロジェクトは、2018年11月15日から2019年1月31日までの期間で、ヤフー株式会社(東京都千代田区)にて実施されます。展示アーティストには、Colliu、原田郁、オートモアイ、瓜生太郎、阿部紅、2blks、寺本愛、TYM344の面々が名を連ねています。それぞれのアーティストが持つ独自の視点や表現方法が、企業内に新しい風を吹き込むことが期待されます。
アーティスト滞在制作の詳細
プロジェクトではアーティストの滞在制作も行われます。オープンコラボレーションスペース「LODGE」では、以下の2名のアーティストが特に注目されています。
- - 山脇紘資(Kosuke Yamawaki):だからこそ多くの企業プロジェクトに参加している彼は、11月15日から29日の間、絵画制作に励みます。 彼は国内外で数多くの展覧会を行い、映画『猫は抱くもの』の美術監修も手掛けています。
- - 菅原玄奨(Gensho Sugahara):12月10日から24日までに滞在予定で、具象彫刻を得意とし現代の消費的ファッションシーンを表現に取り入れ、彫刻制作に取り組みます。
結びに
CVJ Workplace Art Projectは企業におけるアートの役割を再認識させる試みであり、アートを通じて企業の創造力を引き出す重要な一歩です。この取り組みが広がることで、より多くの人々が身近にアートを体感し、さらなる文化振興に繋がることが期待されています。