2027年卒大学生のキャリア形成活動の現状
株式会社マイナビが発表した「2027年卒大学生キャリア意向調査5月」は、来年3月に卒業予定の大学生や大学院生3,051名を対象に行われたもので、彼らのキャリア形成活動への参加状況や就職活動に対する意識が明らかになりました。特に注目すべき点は、キャリア活動への参加率が前月に比べて増加したことです。
参加率の上昇
5月の調査によると、オープン・カンパニーやキャリア教育などの活動に参加した学生は27.1%でしたが、これは前月の15.9%から11.2ポイントも増加しています。また、何らかのキャリア形成活動に参加した学生の割合も30.2%に達し、これも前月より11.9ポイントの増加を示しています。夏に向けてのインターンシップの開催が近づき、学生たちの活動が活発化している様子が伺えます。
学生生活の折返しとその影響
大学生も3年生ともなると、学生生活の折返し地点に差し掛かります。そのため、83.1%の学生が「もう半分終わってしまったという焦り」を感じていることが意外とも言える結果です。多くの学生が就職活動や学業との両立に悩んでおり、焦燥感が募っている証拠でしょう。
このような状況について、自由回答で寄せられたコメントからも、他の学生が就職準備を進めているのに自分だけが遅れていると感じ、不安を抱いている声が目立ちます。「周りは進んでいるのに」と感じることで、ますますその焦りが強まるようです。
経済的準備も進む
キャリア活動に向けて貯金をしている、またはしたいと考えている学生が約8割にも上りました。特に「交通費」を重視している学生が多く、インターンシップの実施形式が対面での開催へと移行する中で、遠方への移動に備えた貯金意識が見て取れます。必要な生活費を確保するために、アルバイトをしている学生も多く、その影響を受けているようです。
将来の貯蓄計画
また、就職後は毎月5万円以上を貯金に回したいという意向が54.6%の学生から示されています。学生たちの貯蓄に対する意識が高まっていることは、将来への不安からも来ていると言えるでしょう。特に、お金に対する不安を感じている学生が76.3%にも達しているという調査結果も、その背景を裏付けています。
学生の心の声と今後の展望
調査担当者は、学生生活の折り返しを迎えた多くの学生が焦りを抱えていることに注目しました。自分の将来に対して真剣に考え始めたことが、焦りを生んでいると分析しますが、まだ大学生活のスタートに過ぎない3年生にとって、焦る必要はないとも強調しています。これからのキャリア形成活動において「備える力」を身につけることは、将来の人生においても大きな強みになるでしょう。お金の管理から始まり、未来に備えて自分を見つめ直すことが重要です。学生たちが自分の意見や思考をしっかり持って、充実したキャリア形成活動を進めていくことを期待しています。
参考情報
今回の調査は2025年5月20日から5月31日までの期間に行われ、2027年3月卒業見込みの全国の大学生、大学院生を対象にしたWEBアンケートです。詳細な結果については、
こちらからもご確認いただけます。