マクニカがシームレスな位置追跡サービスを提供
株式会社マクニカが、ワールドワイドで位置追跡と状態監視を実現するクラウドサービス「Macnica Tracks™」を開発したことを発表しました。2024年10月下旬より販売が開始される本サービスは、近年の物流業界が直面している多数の課題に対してソリューションを提供します。
物流業界の現状
物流業界は、多くの問題を抱えています。特に「2024年問題」と呼ばれるドライバー不足が深刻化しており、2030年には34%の輸送力不足が懸念されています。加えて、医薬品や食品に関わるコールドチェーンの温度管理要件が厳格化され、適切な監視システムが求められています。
従来のアプローチでは、現場での手作業によるデータ集約や温度チェックが一般的であったため、運営の効率が上がらず、品質不良品のリスクも増大しています。さらに、国際物流では貨物の盗難という新たな課題も浮上しており、特にインフレの影響で低価格帯の商品でも盗難被害が増えています。
Macnica Tracks™の概要
これらの課題に対応するために開発された「Macnica Tracks™」は、様々な機能を持つ統合型のクラウドサービスです。主な機能には、コールドチェーン向けの温度管理、衝撃検知、紛失・盗難防止などがあります。また、これに加えてリアルタイムでのモニタリングが可能です。これにより、位置情報だけでなく、温湿度・気圧・照度などのデータも取得できます。
本サービスは、マクニカが取り扱うQualcomm社のQTSシリーズを使用しており、これらのデバイスは小型で薄型であるため、どんな貨物にも容易に取り付けることが可能です。特に「QTS110」と「QTS112」の2機種が提供され、顧客のニーズに応じた使い方が可能です。
特長と導入効果
「Macnica Tracks™」は、リアルタイムでの追跡と状態監視を行うことで、以下のような効果があります。
1. 荷主と物流会社が一元管理できるクラウド環境を提供し、情報の共有が容易になります。
2. 医薬品や食品の品質保持のために必要な温度管理を自動化し、効率的な運用が可能です。
3. LTE対応で、現場の負担を軽減しつつ、データの送信や可視化を自動化します。
4. 海外200の国に対応し、安定した位置追跡を実現します。
5. 盗難防止策として、貨物の開封検知機能も搭載しています。
6. 最大100日以上の連続動作が可能で、長期間の輸送にも対応しています。
7. ハイブリッドな測位方式により、さまざまなエリアでの位置確認が可能です。
8. 運用コストが低く、導入が容易です。
これにより、マクニカは物流業界のデジタルトランスフォーメーション(DX)に貢献し、アセットトラッキング市場への進出も目指しています。
今後の展望
マクニカは、2024年9月10日から13日に東京ビッグサイトで開催される国際物流総合展(Logis-Tech Tokyo2024)に出展予定です。そこで、実際のユースケースを通じて「Macnica Tracks™」の利点を広く紹介します。
顧客が必要とする機能を反映しつつ、低コストで導入が簡単な本サービスは、今後の物流業界のスタンダードになり得るかもしれません。ぜひ注目してほしいサービスです。