東京都中野区で進化する避難所開設アプリの実証実験報告
東京都中野区の鷺の杜小学校にて、住民主体の避難所開設を支援するアプリ「N-HOPS(エヌ・ホップス)」を用いた実証実験が行われました。この実験は、能美防災株式会社が開発中のアプリを駆使して、避難所開設作業の効率化と住民の主体的な訓練を促進することを目的としています。2025年11月22日の本実証は、中野区での二度目のトライアルで、9月に行った最初のトライアルの成功を受けたものです。
実証実験の概要
本実証には、地域の住民や地元企業が参加し、鷺宮4丁目町会に所属する方々を中心に8グループに分かれて実施されました。各グループは約6名ずつで構成され、N-HOPSのガイドに従い、避難所の開錠、施設点検、受付設営、利用スペースの整備を行いました。操作説明は短時間でしたが、参加者たちはすぐにアプリの操作に慣れ、自発的に作業を進めていました。前回の9月は3グループで行われましたが、今回は8グループに拡大され、自走できる体制が確認されました。
参加者の声と改善点
訓練後の意見交換では、参加者から様々な感想が寄せられました。良い点としては、「何をどうすればよいか、視覚的にわかりやすかった」という意見や、「このアプリがあれば、避難所での共助が進むと感じた」という声がありました。一方で、懸念も表明されました。「通信が前提のアプリだと、災害時に本当に使えるのか不安」といった意見も多く、「災害時に利用できるのか心配」、「行動の順序が実際の避難所と異なる部分があった」との改善要望もありました。
オフライン機能の重要性
「N-HOPS」を実際に災害時に活用できるのかという点は、参加者の間で多くの意見が集まりました。このアプリはWebアプリであり、訓練時には特別なインストールを必要としないという利点がありますが、オフライン機能の搭載も重要なポイントとなっています。災害発生時に通信が途絶えた場合でも利用できるよう、平常時にデータをダウンロードしておけば、オフライン状態でも行動支援ガイドを閲覧可能です。また、バックアップとして紙で印刷することも対応しています。
避難所ごとのカスタマイズ
訓練中には「この行動が実際の避難所とは異なる」という気づきがあったことが特に重要でした。この実証は、実際の施設の図面を用いて行われたため、従来のマニュアル読み上げや部分的な訓練では得られない洞察を参加者にもたらしました。「N-HOPS」では、こうした気づきを基に防災担当職員が避難所ごとに行動支援ガイドをカスタマイズできる機能があり、これによって最新で最適な情報を地域住民に提供することが可能になります。
今後の展望
「N-HOPS」は2026年度に本格的にリリース予定で、現在すでに複数の自治体から実証実験に関するお問い合わせを受けています。自治体の関係者にとって、非常に有用なツールとなることが期待されています。興味がある自治体は気軽に問い合わせをすることが推奨されています。
詳細情報については
こちらをご覧ください。
お問い合わせ
能美防災株式会社 総合企画室
担当者: 山田、河野
電話: 03-3265-0218