大阪オフィスマーケットの現状
2024年4~6月期の大阪市中心部におけるグレードAオフィスビルの賃貸市況が発表され、賃料が二期連続で上昇しています。このレポートは、コリアーズ・ジャパンによるもので、独自に収集したデータに基づいています。
賃料上昇の要因
新たに完成した物件の稼働率が向上していることや、ネットアブソープションの増加が賃料上昇に寄与しています。具体的には、2024年の4~6月期におけるネットアブソープションは、前期の2倍以上に達し、新しいオフィススペースの供給量を大きく上回りました。この傾向は、企業の好業績に裏打ちされた需要の拡大に支えられています。
一方、2024年は過去最大規模の新規供給が見込まれているものの、入居工事費用の上昇や工期の延長という課題も露呈しています。これにより、オフィス移転に関するハードルが高まり、空室率は2024年を通じて上昇する予測です。
各エリア動向
特に梅田駅を中心とするエリアでは、空室率が低下し、賃料も上昇しています。中之島や淀屋橋エリアにおいても、賃料が上がっており、既存物件の賃料改定がその要因となっています。これらの地域では、成約件数の増加に伴い、高価格帯物件のニーズも高まっています。
また、なんばエリアや新大阪北エリアでは、供給が安定している状況が続いており、空室率は低下を見せています。
今後の展望
2025年には新規供給が2024年の半減し、空室率は横ばい状態が続く見込みです。2066年には新規供給量が1万坪に満たない水準に落ち着くと予想されていますが、現時点では企業の需要が減少する兆候が見られず、賃料水準は引き続き緩やかに上昇する可能性があります。
まとめ
全体として、大阪市のオフィスマーケットは堅調な見通しを持っており、今後の動向にも注目が集まります。特に、賃料の上昇が続く中で需要の動きがどう変化するのかが、業界の動向を大きく左右する要因となるでしょう。今後の取引において、供給と需要のバランスを見極めることが重要です。
このレポートの詳細については、コリアーズ・ジャパンのウェブサイトをぜひご覧ください。