宮城県での持続可能な米生産を目指す新たな取り組み
2023年7月16日、宮城県美里町のJA新みやぎで「宮城みどりの食と農の推進協議会」の第16回通常総会が行われました。この会議は、生活協同組合パルシステム神奈川や新みやぎ農業協同組合、各自治体の関係者が集まり、米生産の現状や今後の展望を議論する重要な場となりました。
生産者と消費者の架け橋としての役割
協議会では、2024年度の事業計画として、パルシステム神奈川の利用者が直接産地での農業体験を行い、自宅での「バケツ稲」プロジェクトを通じて消費者と生産者の交流を深める取り組みが報告されました。このような活動は、米の生産だけでなく、生産者の思いや努力を消費者に伝える大切な機会となります。
また、米の市場価格が上昇する中で、宮城県産米の安定供給を継続する努力が強調されました。生産者たちは、供給を支えるために日々の努力を続けています。商品の販売促進を兼ねた交流会や展示会では、消費者に産直米の魅力が伝えられました。
宮城の農業と地域の未来
2025年度には、地域情報の発信や地域連携の強化が計画されています。WebやSNSを通じた情報発信によって、多くの人々に「大崎耕土」のブランドを知ってもらい、エコ・チャレンジ米や有機栽培米の意義を広めることが狙いです。そして、消費者との対話によって持続可能な農業を実現していく意向が示されました。
協議会の小野寺克己会長は、30周年を迎える交流事業への期待を語り、生産者と消費者の双方が共に地域の農業とその未来を考えていく必要性を訴えました。
現状の課題と今後の展望
今回の総会では、生産者と消費者の立場から米不足に関する現状も共有されました。JA新みやぎの職員である佐野巌さんは、生育は順調であるものの水不足が心配される状況を報告し、具体的な対策が求められています。生産者の鈴木史人さんや須田守さんは、それぞれの農業実践について率直に語り、具体的な問題に取り組む姿勢を見せています。
パルシステムから寄せられた消費者の声には、「安心して食べられる米のありがたさ」や、「価格が心配でありながら生産者の努力も理解している」といった複雑な思いが表現されていました。
1993年の米不足を受け、パルシステムは予約登録米制度を導入しました。この制度により、生産者は安定して米を供給できる環境が整い、消費者は安心して利用できるという協力関係が育まれています。米生産に関わる複雑な課題については、交流の継続が鍵であるとの共通認識が形成されました。
未来に向けた協力体制
「宮城みどりの食と農の推進協議会」は、2009年に設立され、生産者と消費者が一体となり持続可能な農業を推進するための架け橋として機能しています。引き続き、様々な交流の機会を設けることで、地域の農業を応援し、新たな価値を創造していくことを目指しています。今後も、生産者や消費者との連携を強化し、持続可能な地域づくりを推進していく考えです。
共に力を合わせることが、持続可能な生産と消費の実現へと繋がっていくでしょう。
上記の取り組みを通じて、宮城の農業がさらに発展し、地域の食文化を支えていくことに期待が寄せられています。