NAVEXの「2026 内部通報・インシデント管理ベンチマークレポート」について
最近、ガバナンス、リスク、コンプライアンス(GRC)分野のリーディングカンパニーであるNAVEXが発表した「2026 内部通報・インシデント管理ベンチマークレポート」が注目を集めています。日本の内部通報文化やその実態を示すこのレポートは、世界中の4,000以上の組織から約7,700万人の従業員を対象に、237万件の通報データを分析した結果を基にしています。
日本の通報率は世界平均の2倍以上
2025年のデータでは、日本のウェブ通報率は76%に達したことが報告されており、これは世界全体の34%の約2倍にあたります。これはデジタル窓口への移行が進み、匿名性を保ちながら通報が行われる環境が整いつつあることを示しています。しかし、実際には、日本における通報件数は依然として低い水準にあり、文化や制度の障壁が影響していると思われます。特に、報告型文化の育成が求められています。
潜在的リスクの見落とし
通報件数を従業員100人あたりの中央値で比較すると、日本は2024年の0.44件から2025年には0.63件に増加したものの、依然として世界平均の1.65件に比べると少なく、重大な見逃しのリスクを孕んでいると言えます。この数字が示すのは、文化的な障害や通報の扱いに関する既存の慣行が、報告されるべき問題が表面化することを阻んでいるということです。
ハラスメントが特に顕著な問題
特に日本市場においては、ハラスメントに関する通報が異常に高い一方で、報復に関する通報はかなり少ないことが指摘されています。レポートによると、日本のハラスメント報告率は15.90%、世界全体では4.62%という数値が示されており、報復に関しては日本0.58%、世界全体1.20%と、顕著な差があります。この現象は、日本における「声を上げる文化」の浸透が未だ不十分であることを示唆しているのです。
調査プロセスのボトルネック
通報された案件の調査には、平均して73日を要するという実態も浮き彫りになっています。世界全体の中央値が28日である中で、この差は通報者の信頼を損なう要因になりかねません。調査に必要な時間が長引く理由としては、事案の複雑性やAIツール導入による新しい手法が影響していると指摘されています。
NAVEXの提言
NAVEXのカントリーマネージャー、三ツ谷直晃氏は、「日本の通報の質は世界基準に達したが、件数の少なさに潜むリスクが重要なポイント」と言及しています。デジタル環境を通じて、従業員が安心して声を上げられるプラットフォームを確保し、その信頼を損なわないスピーディな調査が必要です。
未来に向けた改善の必要性
日本の内部通報文化が変わりつつある中で、組織はこの流れをどう活用していくかが問われています。NAVEXが提供するソリューションを通じて、透明性の高い問題解決の環境を整えることが、企業の信頼を深める鍵になるでしょう。今後の日本の企業文化において、早急に対策が求められる部分と言えます。