Indeed Hiring Labが発表した最新のレポートによると、2025年5月の求人掲載賃金は前年同月比で3.3%上昇したものの、前月の3.6%からは鈍化しています。この上昇率は、2023年までの水準と比較すると依然として高いですが、さまざまな要因により上昇幅はやや収束傾向にあります。このレポートは、世界No.1求人サイトであるIndeedが、日本の労働市場を分析し、トレンドを明らかにするために作成されています。
この鈍化を引き起こしている要因には、春闘の効果が一巡したことが挙げられます。2025年の春闘賃上げ率は5.25%と、昨年の5.1%からの微増に留まり、企業の採用意欲がやや影響を受けているようです。また、世界経済の先行き不透明さや、地政学的リスクが企業の慎重な姿勢を促していることも、賃金上昇を抑制する要因となっています。
職種別に見ると、多くの業種で賃金上昇率の鈍化が見られる一方、「保険」「観光」「マーケティング」といった特定の職種では逆に賃金の上昇幅が拡大しています。これは、地域別の人手不足や市場特性が影響しているとの分析もあります。たとえば、保険業界では5月の賃金上昇率が7.3%を記録するなど、他の業種とは一線を画しています。
Indeedの賃金トラッカーは、2019年から2025年までの求人掲載賃金の推移を示しています。その中で、2024年には賃金上昇率が4%を超える力強い伸びを見せ、2025年には一時的に鈍化した形になりますが、依然として高水準にあります。
結論として、2025年の求人掲載賃金は鈍化傾向にあるものの、引き続き高い水準を維持しています。企業の賃金に対する意識や市場環境の変化を踏まえ、求職者は職種や地域に応じた戦略的な選択を求められるでしょう。Indeed Hiring Labは、多様なデータを基に働く環境や市場状況の変化に関する洞察を提供しており、今後も目が離せません。