ウルトラファインバブル技術で洗顔料の未来を発表
ポーラ・オルビスグループの一員であるポーラ化成工業株式会社が、2024年のIFSCC世界大会において「ウルトラファインバブル(UFB)」を用いた新たな化粧品の開発を発表します。この技術は、肌に残る刺激成分を気体で洗浄する新手法であり、洗顔料における革新を目指しています。
ウルトラファインバブルとは?
ウルトラファインバブルは、髪の毛の約700分の1の直径、すなわち約100ナノメートルという極めて小さな泡を含む液体です。この技術を用いることで、洗顔料においても高い洗浄力が維持されると同時に、肌に対する刺激を最小限に抑えられることが期待されています。ポーラ化成工業では、この画期的な技術を用いた初のUFB化粧品を開発するための研究を進め、安定した製剤を成功裏に作成しました。
研究内容について
発表予定の論文では、UFBの特性とその効果について詳しく述べています。敏感肌の方には特に重要な、洗顔料に残りがちな刺激成分を排除するアプローチとして、自然に消失する「空気」に注目しました。
検討①:UFBの安定性向上
研究では、化粧品原料を活用してUFBの安定性を高める技術を確立しました。具体的には、溶液の表面張力やpH値を操作することで、UFBの安定なしに化粧品への配合が可能であることを確認しました。
検討②:高濃度UFB製剤の開発
次に、特殊な洗浄力を持つ高濃度UFB製剤の開発が行われ、従来の界面活性剤と同等以上の洗浄効果を1年以上維持できることが確認されました。これにより、UFB技術が洗浄用化粧品に新しい風を吹き込むことが期待されています。
検討③:無刺激性と浸透促進効果
さらなる研究では、UFBの特異的な浸透促進効果も評価され、肌に対するダメージがないことが明らかにされました。ヒトを対象にしたパッチテストでも刺激性は認められず、UFBの浸透促進に必要な条件が確立されました。
未来展望
ポーラ化成工業は、UFB技術と気相乳化の導入を通じて、消費者の多様なニーズに応え、より安心して化粧品を楽しめる世界を目指しています。化粧品業界において、この新たな乳化技術は大きな変化をもたらす可能性を秘めています。ラボでの研究成果が市場に変化をもたらす日を望んでいます。今後の展開に注目です。
IFSCCについて
IFSCC世界大会は、化粧品技術者にとって最も権威ある学会の一つであり、最新の研究成果が集まる場です。そこでの発表は、厳正な審査を通過した論文だけに許可されているため、ポーラ化成工業の成果も高く評価されることでしょう。