Salesforceから新しい営業支援機能が登場
株式会社セールスフォース・ジャパンは、2023年10月から営業担当者向けのAI支援機能「Agentforce セールスコーチング」の日本語による提供を始めました。この新機能は、AIエージェントを活用して営業チームの育成を支援するもので、特に少子高齢化や人材不足に悩む営業組織にとって、若手社員の育成やスキル継承が求められる現状を考えると、その意義は大きいと言えるでしょう。
営業活動には多くのタスクが含まれるため、業務の効率化が成績に直結しますが、Salesforceが発表したデータによると、多くの営業チームがトレーニングに十分な時間を取れていないのが実情です。特にロールプレイが不足していることが問題視されています。こうした課題に対応するため、Agentforce セールスコーチングは、AIエージェントを活用し、営業担当者のピッチ練習や顧客対応のロールプレイを実施。リアルタイムのフィードバックを提供することで、提案力を向上させることを目指しています。
Agentforce セールスコーチングの主な特徴
この新しいAIコーチには、以下のような特徴があります:
1.
即時トレーニングの実施
反論や提案に対する顧客対応をAIが模擬し、実践的なトレーニングを提供します。
2.
一貫性のあるフィードバック
商談履歴や担当者のパフォーマンスを元に、各営業担当者に最適な指導を自動生成します。
3.
マネージャーの負担軽減
コーチングやロールプレイにかかる工数をAIが補うことで、マネージャーはより戦略的な業務に専念できます。
4.
ROIの見える化
コーチングが成約率に与える影響を分析し、営業活動の効果を測定できるようになります。
このAIによる支援は、基本的にEnterprise EditionやUnlimited Editionなど、さまざまなエディションにアドオンライセンスを追加することで利用可能です。価格は、1つの会話に対して240円という形で設定されています。
デジタル労働力としてのAIエージェント
さらには、Agentforceの母体である「Agentforce for Sales」の一般提供がこの4月に開始されており、これによって営業支援業務のさまざまな側面が自動化されています。実際、米国では80万件を超えるリードやコンタクト情報がAIエージェントにより生成・管理されており、営業活動の生産性の向上に寄与しています。
また、導入初期には多くの休眠リードが再活性化され、新たな商談機会も創出されています。AIエージェントによる業務の効率化により、営業担当者は本来の業務、つまり顧客との関係構築やクロージング業務に多くの時間を割けるようになりつつあります。
これからの展望
Salesforceは今後も、Agentforceの機能拡張を進める予定です。2024年にはAgentforce for ServiceやAgentforce in Slackなどの導入を予定しており、さらに2025年にはAgentforce for Marketingや「Tableau Next」が提供される計画です。このようにAIエージェントを活用することで、営業現場のやり方が変わる可能性が高いと言えるでしょう。
このような新技術は、営業チームのスキル向上や成果に直接良い影響を与えることが期待されています。今後の展開から目が離せません。