Nordic Semiconductorが新しいパワーマネジメントIC「nPM2100」を発表
低消費電力ワイヤレス接続ソリューションのリーダー、Nordic Semiconductorが新たに発表した「nPM2100」というパワーマネジメントIC(PMIC)は、すべての開発者に向けて提供が開始されました。2025年1月に発表されたこの新製品は、すでに個人向け健康モニタリングや産業用センサーといった多岐にわたる一次電池(非充電式バッテリー)アプリケーションで活用されています。これにより開発者は、電力効率の向上とシステム性能の最適化を実現することが可能となります。
nPM2100の特長
nPM2100は、省エネルギー機能とシステム管理機能を搭載し、基本的な電圧レギュレータと本格的な電源管理ソリューションの間のギャップを埋めるように設計されています。特に小型ワイヤレスIoT機器を対象とし、高効率でバッテリー寿命を延ばし、コンパクトなデザインを実現する点が際立っています。ここで紹介する主な機能は以下です。
- - 35nA出荷モード:このモードにより、バッテリーが装着された状態で製品を出荷でき、オン/オフボタンとしても機能します。
- - 200nA以下ハイバネートモード:数秒から数日にわたるウェイクアップ時間を設定でき、多頻度でのウェイクアップが不要な製品ではバッテリー寿命が最大3倍延長されます。
- - 昇圧コンバータの効率改善:150nAの電流ドローで最大90.5%の効率、さらには高電流の場合は95%にまで達します。
- - バッテリー残量計:バッテリーの正確な残量を提供し、ユーザーエクスペリエンスを向上させることができます。
信頼性を高めるための機能
nPM2100はまた、エンドユーザーの体験を向上させ、より信頼性の高い製品設計をサポートする多様な機能も提供しています。たとえば、外部ウォッチドッグ機能によりホストプロセッサをリセットしたり、システム全体のパワーサイクルを行うことができます。さらに、ハードリセット機能はボタン長押しによる再起動を可能にし、密閉型アプリケーションに適したブート失敗リカバリ機能も搭載されています。
超小型パッケージ
これらの革新機能を、わずか1.9×1.9mmの超小型パッケージに収納しており、外付け部品はわずか6個だけという高効率さを誇ります。これにより市場における強力な電源管理ソリューションとなります。
Nordicの完全なワイヤレスソリューションとの統合
nPM2100は、Nordicの低消費電力ワイヤレスソリューションの一部であり、システムの複雑さや部品表(BOM)を削減しながら、バッテリーからアンテナまでのパフォーマンスを最適化します。特にnRF52、nRF53、nRF54シリーズのSoCと組み合わせることで、ウェアラブルデバイス、スマートホーム機器、産業用センサーなど、多様なIoTアプリケーションに対応した高効率の電源管理を実現します。
供給体制とパッケージについて
nPM2100の搭載したWLCSPパッケージは現在サンプル出荷中です。また、QFNパッケージは2025年第2四半期にサンプル出荷を開始する予定です。量産体制はWLCSPが2025年6月、QFNが同年9月に開始される予定です。
詳細情報・購入について
詳細な情報や購入については、以下のリンクをご参照ください。
Nordic Semiconductorについて
Nordic Semiconductorは、1983年に設立されたノルウェーのファブレス半導体企業で、IoT向けのワイヤレス通信技術に特化しています。Bluetooth Low Energyソリューションを中心に、超低消費電力の無線技術を提供し、世界中の企業に採用されています。また、IoT市場の拡大に向けてLTE-M/NB-IoT向けの低電力セルラーIoTソリューションも展開しています。