2024年の中途採用動向と副業の増加に関する調査結果
株式会社マイナビは、2024年10月から12月にかけて行った中途採用・転職活動に関する定点調査の結果を公開しました。この調査では、企業の採用活動と個人の転職活動に関するさまざまな傾向が浮かび上がりました。
企業の中途採用実施率
2024年の企業の中途採用実施率は41.9%と算出され、特にIT・通信・インターネット業界の採用率は52.4%という高い数字が報告されています。これは、IT業界が急激な成長を遂げる中で、有能な人材を確保する必要が高まっているためと考えられます。さらに、2024年の12月には中途採用実施率が41.2%となり、季節的な変動も見られましたが、全体としては前年よりわずかに減少しています。
個人の転職活動
個人の転職活動実施率は3.5%にとどまり、特に30代の転職活動が最も活発であったことが明らかになりました。2024年の12月には30代の転職活動実施率が5.1%と高く、これは彼らがキャリアアップや待遇の改善を目指す傾向が強まっていることを示しています。
副業の実施状況
調査によると、転職を考えている20代正社員の1/3以上が実際に副業を行っていることがわかりました。実施者全体の25.1%が副業を行っており、76.2%が副業に対して前向きな姿勢を示しています。特に、20代の副業実施率は35.4%に上り、これは収入の多様化を希望する背景があると考えられます。
また、副業人材の受け入れ率が36.6%に達し、前年に比べて2.1ポイント上昇しました。企業は副業人材の受け入れを進めることにより、数的な人材不足を解消することに期待しているようです。実際に、予想以上の効果を得られる可能性もあり、企業側もますます副業人材に対する理解を深めています。
調査結果からの考察
この調査の背景には、賃金引き上げや待遇改善の動きが影響していると考えられます。これにより、多くの転職希望者が企業に残る選択肢を増やし、副業を選択するようになってきているのかもしれません。少子高齢化が進む現代では、企業は人材を確保するために、副業人材を受け入れる体制を整えることが重要です。
未来の展望
2024年の中途採用率が減少傾向にある一方で、副業の実施率が増加していることは、個人や企業の働き方に変革が訪れていることを示唆しています。今後、物価上昇が進む中で、収入増加を模索する人々が副業を実施する傾向が強まるでしょう。企業もまた、多様な人材確保の方法として副業人材の受け入れを推進する必要があります。
このように、企業の人材採用と個人の働き方が変わり続ける中、2024年は副業人材の受け入れと将来の雇用環境の改革が注目される年となるでしょう。