医療通訳の最前線
2025-11-04 11:09:55

医療通訳者への道を開く:外国人患者受け入れの現状と課題とは

医療通訳者への道を開く



外国人患者受け入れの現状



2025年10月27日、京都外国語大学にて特別講義「多言語・多文化の医療現場で働くということ」が開催されました。この講義には、医療通訳の分野で多くの実績を積んでいる南谷かおり先生が講師として招かれ、外国人患者の受け入れに関する現状や文化の壁について詳しく解説されました。

南谷先生は、日本に住む外国人や訪日観光客の数が年々増加している現状を背景に、医療現場での受け入れの実態を語りました。多くの医療機関が外国人患者を受け入れているものの、実際には体制や方針が整っていないことが多いと指摘されました。これにより、医療サービスを受ける際の「医療の壁」と呼ばれる課題が生じており、これを乗り越えるためには、専門的な医学知識を有する医療通訳者の存在が欠かせないと訴えました。

文化の違いを乗り越える重要性



南谷先生は、真の医療通訳者とは単に言語を翻訳するだけでなく、異なる文化や宗教、習慣を理解し、医療従事者と患者の間に良好な関係を築く役割を担っていると強調しました。具体例として、日本と欧米の痛みへの価値観の違いや、中南米の出産時の慣習、さらには中国における地域差の事例が提示され、文化の違いに対する理解が如何に重要かを実感させる内容でした。

例えば、日本では痛みを我慢することが美徳とされるのに対し、欧米では痛みを軽減することが当たり前と考えられているという価値観のギャップは、治療のアプローチに大きな影響を及ぼします。このように、医療における文化的背景を理解することは、患者の声を正確に医療従事者に伝えるために必須です。また、地域によって異なる医療文化や、支払いの習慣も把握しておく必要があります。

学生たちの意欲と未来



講義の後には学生たちが積極的に質疑応答を行い、外国人患者の受け入れに対する自身の体験や疑問をぶつけました。それに対し、南谷先生は多文化共生社会における医療通訳士の重要性を再確認しました。学生たちの質問からは、医療通訳士としての責任や、実際の現場での対応についての関心が垣間見え、未来の医療通訳者としての意識の高さが伺えました。

京都外国語大学は、こうした特別講義を通じて、学生たちの多文化共生社会への意識を高め、異文化理解の重要性を広めています。これにより、学生たちが国境を越え、地域に根ざしたグローバルリーダーとして成長することを期待しています。

開催の詳細



この特別講義は、京都外国語大学ランゲージセンターが主催し、南谷かおり先生が講師を勤めました。学生たちにとって、この学びは未来の医療通訳の道を切り開く重要な経験となることでしょう。医療業界における多文化共生の必要性を再認識するきっかけとして、このような講義を継続的に行っていくことが、社会全体にとっても重要です。


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学校法人 京都外国語大学
住所
京都府京都市右京区西院笠目町6
電話番号
075-322-6035

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