デザミスが導入した革新的な畜産糞尿処理技術
デザミス株式会社(東京都江東区、CEO:清家浩二)が新たに開発した酸化分解装置(OHD)は、畜産経営における糞尿処理の革新を目指しています。この技術が、2025年10月から鹿児島県の肉用牛肥育農家で実施される実証試験により、95.85%という驚異的な減容率を達成したことが確認されました。これにより、畜産農家が抱える糞尿処理の深刻な課題に対する一助となることが期待されています。
畜産業界の深刻な課題
畜産農家にとって、家畜から排出される糞尿は、経営を圧迫する深刻な問題です。例えば、乳牛は1日に約65kgの糞尿を排出し、これが経営コストを圧迫する要因となっています。処理にかかる負担は、法的な管理だけでなく、物理的な制約や作業負担も影響し、ある意味で畜産業の足かせとなっているのです。
OHDによる糞尿処理技術の実例
デザミスが開発したOHDは、糞尿を酸化分解することにより、95.85%の減容率を達成しました。これは実際に発生する糞尿の量を大幅に削減することができることを意味します。また、処理過程で生成される多孔質なセラミック系粉末には、重要な肥料成分であるリン(14.54%)やカリウム(10.82%)が含まれており、これは農業資源として利用可能です。この新技術は、畜産資源の循環利用にも寄与し、持続可能な農業を支える土台となるでしょう。
食料安全保障への貢献
食品安全保障の観点からも、デザミスの技術は重要な役割を果たします。日本は肥料資源の多くを海外から依存しており、国内での資源回収と再利用が求められています。OHDによる糞尿処理は、これらの資源を国内で回収し、肥料として再利用可能にするため、資源の循環促進と食料安定供給に寄与します。日本全国では、牛関連だけで1日1.5億キログラムの糞尿が発生しており、これは世界的な畜産業界でも重要な課題です。
未来の農業を支えるデータと技術
デザミスは、畜産業界の変革を図り続けています。「農家と共に、次のステージへ」というミッションの下、2020年からはU-motion Platformを通じて、畜産に必要なデータの活用を推進しています。このプラットフォームでは、飼養管理データや環境データ、診療データなどを統合し、実務で役立つ経営支援を実現しています。これに加えて、OHDなどのハードウェア技術を駆使し、糞尿処理における構造的な課題にも応えています。
日本から世界へ
今回の技術は、日本国内に限らず、世界中の畜産業の課題解決にもつながる可能性を秘めています。デザミスは2026年中の実用化を目指し、培った技術と知見を世界市場に展開し、持続可能な農業を共に実現するパートナーとなることを目指しています。
畜産経営の持続性を向上させたり、環境負荷を低減させたりするためには、こうした革新的な技術の導入が不可欠です。デザミスの取り組みに今後も注目が集まります。