新たに登場した不眠症治療薬『クービビック®錠』
2023年10月、ネクセラファーマ株式会社と塩野義製薬株式会社が新しい不眠症治療薬「クービビック®錠」を発表しました。この薬は、オレキシン受容体に選択的に作用するデュアルオレキシン受容体拮抗薬(DORA)で、睡眠障害に悩む多くの患者に新たな希望を提供します。
クービビック®錠とは
「クービビック®」は、一般名ダリドレキサントで知られており、経口で服用するタイプの不眠症治療薬です。この薬はオレキシン_1R_とオレキシン_2R_という2つの受容体に結合する機能を選択的に阻害し、過剰な覚醒状態を抑えることで、スムーズな睡眠の確保を期待できるのです。
発売の背景
ネクセラファーマジャパン株式会社は、日本における「クービビック®」の製造販売元となり、販売契約に基づき塩野義製薬が流通と販売を担当します。双方の努力により、不眠症に苦しむ患者に迅速にこの新薬を届けることが目指されています。
2024年10月1日には、正式な販売提携契約が発表されることになり、これによりより多くの患者へ効果的な治療が行われること期待されています。
不眠症の定義と影響
不眠症とは、睡眠入眠や維持の障害によって、日常生活に明らかな苦痛や機能不全をもたらす状態です。日本における厚生労働省の調査によると、約20%の成人が睡眠不足を感じているといいます。
そのため不眠症は短時間の睡眠不足とは異なり、身体的・精神的に持続的な負担を与える深刻な問題です。患者の多くが日中の活動に支障をきたし、質の高い生活を送ることが難しくなっています。
不眠症の治療では、睡眠の質や量を改善することが重要であり、薬物療法の他にも睡眠衛生指導や認知行動療法が推奨されています。
まとめ
「クービビック®」の登場は、不眠症の対策として大きな意義があります。この薬が広く使用されることで、多くの患者のQOL(生活の質)が向上することが期待されます。普段の生活において、睡眠の重要性は計り知れません。今後、この新たな治療薬がどのように実績を上げていくのか、注目が集まります。