LIXILがFRPマテリアルリサイクルを開始
株式会社LIXILは、宏幸株式会社と協業し、2025年1月10日にユニットバスの浴槽や床材として使用されるFRP(繊維強化プラスチック)のマテリアルリサイクルを開始します。FRPは、その防水性や耐久性から広く利用されていますが、リサイクルが困難なため、廃棄物として扱われることが多い素材でもあります。
FRPリサイクルの必要性
FRPは、熱硬化性樹脂とガラス繊維の複合素材で構成されており、個別に分解して再利用することが難しいという特性があります。その結果、不要となったFRPの多くは埋め立てや焼却処理が行われているのが現実です。このため、環境への影響が懸念されており、LIXILはこの問題を解決すべくマテリアルリサイクルの導入を決定しました。
従来、LIXILの浴室工場では、廃FRPを粉砕しセメントの原燃料とするサーマルリサイクルを行っていましたが、再資源化率を向上させるべく、今回のマテリアルリサイクルに踏み切ることになりました。
担当者のコメント
LIXILの公式発表によれば、今回の取り組みにより、筑波工場から排出される廃FRPの全てをマテリアルリサイクルする予定です。この取り組みは、LIXILの浴室工場で排出されるFRP廃棄物の約50%を再資源化することになり、全体の廃棄物再資源化率は86.2%に達します。
LIXILは、環境負荷の低減を目指し、資源の循環利用を積極的に進めていく方針です。この取り組みが、地球環境の改善に寄与することを期待されており、LIXILの環境ビジョン2050「Zero Carbon and Circular Living」にも資する重要なステップとなります。
環境への影響
LIXILの新しいマテリアルリサイクルのアプローチは、環境保護の観点からもインパクトがあります。廃物利用の一環として、より持続可能な工場運営を実現し、再利用を促進することによって、事業プロセス全体を環境に優しい形に変えていきます。
LIXILの取り組み
LIXILは、CO₂排出を実質ゼロにする目標を掲げ、資源の循環利用を重視した取り組みを行っています。自社のバリューチェーン全体において、様々なリサイクル手法を取り入れ、廃棄物の削減を進めています。また、使い捨てプラスチックのバイオマス変換や、リターナブルコンテナの活用など、リサイクル材の利用拡大にも力を入れています。
まとめ
株式会社LIXILは、FRPのマテリアルリサイクルを通じて、持続可能な社会の実現へ向けた重要な一歩を踏み出しました。環境へのインパクトが大きい今回の取り組みは、LIXILの事業戦略においても大きな意味を持ち、今後の展開に目が離せません。
LIXILは、世界150か国以上で事業を展開し、様々な製品を通じて快適な住まいの提供を目指しています。今後もこのような環境へ配慮した取り組みを進め、生活者のニーズに応える企業姿勢が求められています。