量子技術が生み出す未来の微生物センシングシステムとは

2024年11月に開催された「第41回センサ・マイクロマシンと応用システムシンポジウム」で、quantum株式会社と東京科学大学の山本貴富喜准教授が共同で発表した論文が最優秀技術論文賞を受賞しました。この論文、『AI駆動ACナノポア法によるフェノタイプ型微生物センシングシステムの開発』は、微生物センシングの新しい可能性を開く画期的な成果として評価されています。

本研究が提示されたのは、首都圏で育まれたスタートアップ支援プラットフォーム Greater Tokyo Innovation Ecosystem (GTIE)の一環としてです。GTIEは地域大学、公共団体、スタートアップ企業が協力し、革新的な技術を持つ大学発のスタートアップを育成することを目的としています。

受賞の背景

本論文は、山本准教授のプロジェクト 「AI駆動型ACナノポア法による微生物AIセンサの事業化」 に基づくもので、リアルタイムで細菌やウイルスなど様々な微生物を同時に識別できるセンシングシステムの開発を目指しています。この技術は、徐々に進化するデジタル社会において、ライフサイエンスの分野に貢献するものと期待されています。

量子技術の強み

quantumは、今回受賞した論文の中で、山本准教授の技術をサポートし、プロトタイプの開発にも関与しました。量子技術を駆使した新しいアプローチが、微生物センシングの分野に革命をもたらすとの期待が寄せられています。実際、デジタル技術とAIの進化により、微生物センシングの市場はますます注目されるようになり、quantumはその中心を担う企業として重要な役割を果たすことが求められています。

今後の展望

quantumは、山本准教授のプロジェクトを通じて新規事業の開発を支援し、域外の大学や研究機関とのコラボレーションをさらに進める計画です。未来の微生物検出技術が、さまざまな分野で応用されることを目指し、技術の商業化に向けた支援も行われています。これにより、量子技術とAIの組み合わせによる新しいサービスや製品が市場に登場することが期待されています。

quantumは、これまでに100社以上の企業や学術機関とのコラボレーションを通じて、新規事業開発に携わってきました。今後も 新規事業のインキュベーション、 ベンチャークリエーション、 デザイン＆エンジニアリングの3つの事業セグメントを融合させ、世界にインパクトを与える新しいビジネスモデルの創造に挑戦していく方針です。

このように、技術の最前線を走るquantumと東京科学大学の取り組みは、今後の産業界における技術革新のカギを握ることになるでしょう。微生物センシングの新たな時代が、量子技術によって切り開かれることを期待せずにはいられません。