デジタルハリウッドとneoAIが共同開発するチューターAI『Ututor』の実証がスタート
近年、テクノロジーの発展が加速する中で、教育の場でもAIの導入が注目を集めています。特に、クリエイティブな分野では、AIの活用が新たな学びのスタイルを提供する可能性を秘めています。そうした流れの中で、IT関連の教育機関であるデジタルハリウッドが、AI技術の研究開発企業であるneoAIと共同で開発したチューターAI『Ututor』の実証プロジェクトが始まります。このAIは、Webデザインや動画制作を学ぶ学生たちの作品に対して、視覚的フィードバックを提供することが期待されています。
実証プロジェクトの背景
デジタルハリウッドは、1994年の設立以来、クリエイターを育成するための教育プログラムに力を注いできました。今回の『Ututor』プロジェクトは、3DCG・グラフィックデザインから始まり、ついにWebデザイン及び動画制作領域へと対象を拡大しました。このAIは、提出された作品に対して、どの部分をどのように改善すべきかを示し、関連する教材や事例を自動的に提案するという機能を持っています。AIによる作品評価は、客観的で、初学者でも安心して学ぶことができる要素となるでしょう。
実証プロジェクトの概要
このプロジェクトは、2025年4月から6月の3ヶ月間にわたり実施される予定で、デジタルハリウッドの専門スクールに通う受講生と講師が対象です。約40名のトレーナーと受講生が参加し、Webデザインや動画制作におけるフィードバック機能の有効性を検証します。具体的には、Webデザインではサイト構造やビジュアルデザイン、メッセージ性の3つの観点からフィードバックが提供され、動画制作では編集ミスなどの技術的なエラーをチェックする機能が導入されます。
このように、UTutorは作品の上に直接付箋形式で改善点を提示し、タイムテーブル形式で動画の指摘ポイントを可視化することにより、受講生が直感的に理解できるインターフェースを実現しています。技術的な問題を自動で検出する機能は、特に初心者にとって有用であり、ミスを未然に防ぐ効果が期待されます。
AIによる教育の新たな可能性
デジタルハリウッドとneoAIが目指しているのは、AIによる創造性の強化です。単なる自動生成ではなく、学生がなぜそのように作品を作るのかを深く理解し、自ら考え抜く力を育むことに重きを置いています。「人間のクリエイティビティを育てるために、AIがどのように支援できるか」という観点が、両社の共通のミッションとなっています。
また、今後の展開として、3DCG・グラフィックデザイン領域でも2025年7月にβ版をリリース予定で、Webデザインや動画制作の発展に期待が寄せられています。デジタルハリウッドは、実務的な評価基準を基にした教育カリキュラムの統合に向けて、引き続きAIとの共創を進めていく方針です。
まとめ
デジタルハリウッドが取り組む『Ututor』プロジェクトは、AIを通じて新たな学びの可能性を切り開く重要なステップです。クリエイティブ教育分野の未来が、AI技術によってどのように成長していくのか、今後の動向に注目です。私たちは、教育の質が向上し、より多くのクリエイターが誕生することを期待しています。