山本七平賞候補作
2024-08-20 17:29:46

第33回山本七平賞の最終候補作が発表されました

第33回山本七平賞の最終候補作が発表されました



株式会社PHP研究所が主催する「山本七平賞」は、故山本七平氏の業績を称えるために設けられた文学賞です。この度、同賞の第33回予備選考会が行われ、最終候補作が決まりました。以下の3作品がノミネートされています。

最終候補作


1. 『コロナ禍と出会い直す』 - 磯野真穂著(柏書房)
2. 『天才の光と影』 - 高橋昌一郎著(PHP研究所)
3. 『本居宣長』 - 先崎彰容著(新潮社)
(五十音順)

この賞は1992年に創設され、選考対象は前年の7月から当年の6月までに出版された書籍や論文です。選考委員には、東京大学名誉教授の伊藤元重氏や、京都大学名誉教授の中西輝政氏など、各分野の専門家が名を連ねています。

候補作詳細


『コロナ禍と出会い直す』 - 磯野真穂著


著者は人類学者の磯野真穂氏。彼女は、コロナウイルス感染症による社会の変化を深く考察し、「不要不急」の状況下での人々の行動や感情に焦点を当てています。この書籍では、感染防止策がもたらした社会的側面の変化について触れ、特に日本社会の特性を考察しています。

自身が経験した出来事を基に、マスクを外せない状況や、子供たちへの食事指導に至るまで、あらゆる場面での人のあり方を問いかける内容となっています。「和をもって極端となす」といった日本的思考の特色も浮かび上がります。

『天才の光と影』 - 高橋昌一郎著


この作品からは、歴代のノーベル賞受賞者たちの一面を知ることができます。著者である高橋昌一郎氏は、ノーベル賞を受け取った「天才」たちが持つ、栄光だけでなく陰の面にも目を向けています。

様々な天才に焦点を当て、彼らの人生が必ずしも幸福に満ちているわけではないという観点から、それぞれの精神的な葛藤や社会的な影響を探求する意義を強調しています。公に称賛される天才たちの裏に潜む「狂気」や悩みを理解することで、天才像の新たな側面を知ることができるでしょう。

『本居宣長』 - 先崎彰容著


先崎彰容氏が描く本居宣長は、日本文化を掘り下げた重要な国学者としての顔を持っています。17世紀の日本文化の変遷を背景に、彼の思索がどのように形成されたのかを検証しています。本居宣長が「もののあはれ」を論じる際、西洋的価値観の影響をどのように取り入れたのか、その結果どのような日本文化を形成したのかがテーマです。

波乱に満ちた本居の生涯を辿ることで、従来の認識を覆し、日本独自の精神的な文化の根源に迫る深い内容となっています。

最終選考会の実施


最終選考会は9月11日(水)に開催され、受賞作品が決定します。受賞者には副賞として300万円の賞金と記念品が贈られる予定です。贈呈式は11月13日(水)に東京都内で行われる予定です。

如上の作品群を通じて、文学の深さや著者たちの独自の視点を味わうことができる機会をぜひ楽しみにしていてください。


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