美容を通じた新しい認知症予防のアプローチが登場

高齢者向け美容イベントが熊本で開催

株式会社ウェルネスエキスパートが2024年2月17日に初の高齢者向け体験型美容イベントを熊本県熊本市南区にあるホスピタルメント桜十字で実施します。このイベントは、高齢者が自らの手で美容を楽しむことを目的としており、生活に彩りをもたらす習慣の確立を目指しています。この取り組みは、訪問美容サービスが一般的な中で、自分でケアを行う「セルフケア」に焦点を当てたものとして、日本で唯一の試みと言えます。

高齢者のセルフケアを珍しくないものに

従来の美容サービスは、専門家が高齢者に施術を行う形式が主流でしたが、ウェルネスエキスパートの代表、内野仁美氏は「高齢者自身ができる喜び」を再発見することで、彼らのウェルネスを向上させる可能性があると考えました。このアイデアのもと、各分野の美容専門家と共に高齢者が楽しめる美容サービスの構築に取り組みました。

実際に過去のテストイベントでは、参加者が「自分の手」でフェイシャルトリートメントを行ったことで、肌感覚の変化を実感し、自信を取り戻す様子が見られました。参加者の98％からは「再度開催してほしい」との声が寄せられ、その需要の高さが伺えます。

認知症予防にも寄与する美容体験

このイベントのもう一つの大きな目的は、認知症予防に対する期待です。研究によると、フェイスマッサージなどの活動は脳の特定の領域を活性化させることが示されています。これにより、大脳新皮質や前頭皮質が活性化され、認知機能の向上が期待できるのです。また、写真撮影を取り入れることで、介護家族へのケアや終活の一環としても好評です。

コロナ禍では高齢者の外出機会が減少し、家族と対面する機会も不足していました。このイベントを通じて、高齢者が生き生きとした表情を見せることで、支える家族にも安心感を与えることができます。