タクシー業界初の特定技能ドライバー人材モデルケース
株式会社PM Agent(本社:東京都渋谷区、代表取締役:梅津哲豪)が、タクシー業界において特定技能制度を活用した外国人ドライバー人材の入社支援を行い、三和交通株式会社の東京営業所に2名が新たに加わることになりました。この取り組みは、特定技能ドライバーが入社した実績としては業界初のケースとなります。
新たな風を吹き込む特定技能ドライバー
今回入社したのは、中国籍のAさん(7月22日入社)とBさん(8月1日入社)であり、彼らは今年の3月に採用が決定し、入社前に準備期間を経て無事に職を得ました。タクシー業界は接客力が求められるため、三和交通では、第一印象や人柄、日本語や日本文化への理解度を加味した詳細な選考を行いました。担当者によれば、「中途採用の日本人と同等の基準で見ている。文化の違いを理解しようとする姿勢が見られ、社内に中国籍スタッフがいたため選考はスムーズに行えた」とのことで、現時点では都内営業所での研修が開始されています。
丁寧な研修プログラム
研修期間は1.5〜2ヶ月を予定し、日本人ドライバーと同様の基本カリキュラムが組まれています。さらに、研修は語学力や理解度に応じて調整され、「若手向けの特例講習に似た形で進めている」との現場からの報告もあります。このように、柔軟に対応しつつ丁寧にコミュニケーションをもって進められているため、外国籍ドライバーも日本のタクシー業界で活躍できる基盤が整いつつあります。
迫り来る人材不足の解決策
タクシー業界では、高齢化社会や若者の採用難がますます厳しさを増しています。特に東京・埼玉・横浜エリアの営業所では年々ドライバーの確保が難しくなり、三和交通では外国人材の受け入れを本格的に整備する方針を打ち出しました。2019年頃からは整備士職への特定技能制度の適用を視野に入れ、段階的にドライバー職への拡大を図ってきました。
現場担当者は「外国籍だからという偏見はなく、日本人と同様に人柄や適性を重視している」と語り、言語面への配慮が欠かせないことも認識されています。タクシードライバー特有の無線指示の理解が必要なので、たとえ日本語の能力が高くても、個々の理解度にばらつきがある点には注意が必要です。「読む力」が確認項目の一つとして重要視されています。
気軽に実施したい制度導入
三和交通の担当者は、PM Agentの人材紹介を選んだ理由として、「タクシー業界に特化した知見と制度への深い理解」を挙げています。多くの紹介会社が特定技能人材を扱っている中で、PM Agentのアドバイザーは制度への理解度が高く、安心して依頼できたそうです。2名のスムーズな入社を実現できたのは、適切な候補者を紹介されたためであり、要所でのフォローアップが大きな要因となっています。
未来を見据えた取り組み
今回の試みから三和交通は多くの教訓を得ました。導入初期には、制度を理解した東京営業所のスタッフの協力によりビザ申請や入管対応が円滑に進んだといいます。今後は、このような理解者を他の拠点にも配置し、採用難が続く営業所への展開を計画しています。
タクシー業界でも外国人スタッフが活躍する時代が来ることには期待が寄せられています。PM Agentはこの状況を踏まえ、制度理解の支援や現場定着への取り組みを強化し、他の会社でもスムーズな入社が実現できるようにサポートを続けていく方針です。