造船業と自衛隊の人材不足解消に向けた新たな連携策が発表

造船業と自衛隊の人材不足の解決に向けて

国土交通省と防衛省が共同で、「造船業及び自衛隊における人材確保の取組に係る申合せ」を締結しました。この取り組みは、退職した自衛官が円滑に造船業に再就職できる支援を行うもので、2024年5月23日に正式に発表されました。これは特に造船業が直面している人材不足の解消を目的としたものであり、両省の連携が強化されることが期待されています。

申合せの背景と目的

近年、造船業は多くの課題に直面しています。中でも大きな問題は、業界全体の担い手不足です。これは製造業全般に見られる傾向であり、特に若い人材の確保が進まない中、退職する自衛官を活用した人材の流入が期待されています。この取り組みは、昨年12月に開かれた「自衛官の処遇・勤務環境の改善及び新たな生涯設計の確立に関する関係閣僚会議」に基づいています。

具体的な取組内容

この申合せにより、以下のような具体的な取り組みが行われます。
1. 採用に関する広報の積極的実施
退職自衛官に対して、造船業の必要な資格や勤務環境、キャリアパス等について広く情報を提供する。
2. 業種説明会の実施やインターンシップの機会の設定
若い世代に造船業の魅力を伝えるための説明会を開くことや、実際の職場を体験できるインターンシップを設定し、業界への理解を深める。
3. 職業訓練等の充実
退職自衛官がスムーズに造船業に移行できるように、必要な職業訓練を提供して技能を向上させる。

これらの施策を通じて、退職自衛官だけでなく、未就業者や転職を希望する人々の参加を促し、造船業界の発展を図ることが目指されています。

期待される成果

この共同取り組みは、単に退職自衛官の再就職の支援だけではなく、造船業の若返りや競争力の強化にも寄与することが期待されています。また、自衛隊で養われた技術や規律を、造船業に活かせることで、業界全体の品質向上にも繋がるでしょう。

国土交通省と防衛省は、今後も地域の地方運輸局や自衛隊地方協力本部との連携を強化し、広報活動や説明会を通じてより多くの人材の獲得に向けて努力を続ける方針です。