NTTドコモ、RecSys Challenge 2025での成功
株式会社NTTドコモは、世界最高峰のデータ分析コンペ「RecSys Challenge 2025」で見事に世界第3位を獲得しました。このコンペは、推薦システム技術における重要なイベントであり、グローバル企業が直面するビジネス課題に対する解決策を競い合うものです。2025年3月10日から6月30日まで行われ、416のチームが参加しました。最終結果が発表されたのは、2025年9月22日から26日にチェコ共和国のプラハで開催された「RecSys Conference 2025」です。
本コンペティションの課題は、AIモデルの開発や維持に伴うコスト増加に対抗するための解決策を提案することでした。具体的には、ECサイトでの商品購入予測や休眠予測などのユースケースを通じて、ユーザの購買行動プロファイルである「Universal Behavioral Profiles(UBP)」を構築することが求められました。
NTTドコモは、ユーザの購買頻度や間隔といった統計データを用いた購買特徴量を生成し、さらにユーザと商品、商品同士の複雑な関係性を捉えるグラフ型AIモデルと統合するハイブリッド手法を開発しました。このアプローチにより、従来の手法では捉えきれなかった情報を補完し、より高い精度でユーザの行動を表現しました。その結果、公開された3つの課題と非公開の3つの課題すべてにおいて、優れた性能を実現しました。
さらに、NTTドコモは2025年8月に開催された「KDD CUP 2025」においても注目されています。このコンペでは、特に画像関連の課題に対する高い精度が評価され、2つの部門で特別賞を受賞しました。画像系の生成AIモデルを改造し、外部情報を巧みに活用することで、誤回答を減少させる手法を取り入れました。
ドコモは着実にAI技術を発展させており、社内外のパートナーと連携しながら、大規模データを基にした広告ターゲティングの顧客理解エンジンや新しいコンテンツレコメンドエンジンの開発、DOOH広告配信事業への応用など、幅広いビジネス課題に取り組んでいます。
このような成果に裏打ちされた技術力を基に、NTTドコモは今後も顧客一人一人に寄り添ったサービス体験の向上を目指し、最先端AI技術の開発を進めていく方針です。受賞した詳細なテーマに関する情報は、2025年12月頃に「ドコモ開発者ブログ」で公開される予定です。
今後のNTTドコモの動きにぜひ注目したいものです。