近年、自動車に導入される先進安全装置は、安全運転を助ける重要な役割を果たしています。在来の安全装置に加え、自動運転化の進展に伴い、これらの装置の搭載が増える傾向にあります。特にミリ波レーダーは、周囲の状況を把握し、車両や歩行者を検知するために不可欠な技術です。
しかし、ミリ波レーダーには問題点も存在します。それは、照射範囲内に不要な金属があると反射波が生じ、これによって対象外の物体を誤って認識してしまうことです。このような誤検知は、安全運転に影響を及ぼす可能性があります。そこで必要とされているのが、電磁波ノイズ対策です。
このたび株式会社ニフコは、まさにそのニーズに応える新しい製品、「ミリ波レーダー対応電磁波吸収パネル」を発表しました。ニフコは、材料開発と形状最適化の両面からこのパネルを設計し、76~81GHzの周波数帯において-20dB以上の電磁波吸収性能を実現しています。これは、特に自動車のバンパー内部で発生する高周波によるノイズを効果的に抑えることが可能です。
製品の特徴
- - 高い電磁波吸収性能: 76~81GHzの帯域での優れた性能。
- - 双方向対応: 垂直だけでなく斜め方向への電磁波吸収能力も有しています。
- - 広範なレーダー対応: フロントレーダーからブラインドスポットレーダーまで幅広く対応。
- - 柔軟な素材: オレフィン系エラストマーを使用しており、加工しやすい特性を持っています。
この電磁波吸収パネルは、自動車の生産ラインや整備工場でも実績があります。トヨタ車体株式会社では、同社の生産ラインでの使用が確認され、不具合の発生を抑える効果が証明されています。また、エーミング作業においても誤検知のリスクを軽減し、安全な作業環境を作り出しています。
製品スペック
- - 材質: 熱可塑性エラストマー(TPO)
- - パネル寸法: 252×252×5.5mm
- - 重量: 約170g
- - 販売形態: 32枚/セット
施工方法と効果
この電磁波吸收パネルは施工も簡単で、専門的な知識がなくても取り扱えるため、自動車整備工場においてもスムーズに導入が可能です。
ニフコは「小さな気づきと技術をつなぎ、心地よい生活と持続可能な社会を創造する」を企業理念に掲げ、今後も様々な次世代技術を採用した製品開発に取り組んでいく方針です。自動車業界だけではなく、アフターマーケットでも安心・安全な移動の実現を目指しています。
詳しい製品情報やお問い合わせは、ニフコの公式サイトをご覧ください。