次世代半導体パッケージ市場参入と杭州美迪凱光電科技との協業
株式会社倉元製作所は、この度、次世代半導体パッケージ市場に参入することを発表しました。その取り組みとして、中国のHangzhou MDK Opto Electronics Co., Ltd(以下、MDK社)と製造委託契約を締結し、TGV(Through Glass Via)、TSV(Through silicon via)、SiC(Silicon carbide)関連製品の製造・販売を開始しました。
3つのキーテクノロジー:TGV、TSV、SiC
TGV(ガラス貫通電極)は、従来の有機基板に比べて10倍の高集積化と高性能を実現する革新的なパッケージング技術です。耐熱性と耐衝撃性に優れたガラス基板を使用することで、生成系AIやGPU、HPCなど、高いパフォーマンスが求められる大型チップへの搭載が見込まれています。MDK社は、Via(穴径)10㎛、アスペクト比20倍を既に達成し、さらに5㎛、アスペクト比40倍の開発も進めています。
TSV(シリコン貫通電極)は、従来のワイヤー接続に代わる技術で、シリコンウェーハー内部に電極を貫通させることで、高速化、小型化、高密度化、低消費電力化を同時に実現します。
SiC(炭化ケイ素)は、高耐熱性、耐摩耗性、耐食性、電気伝導性に優れた素材で、EVなどのパワーエレクトロニクス分野で広く利用されています。
協業体制と今後の展望
倉元製作所は、MDK社から供給されたTGV、TSV、SiC関連製品を、自社ブランドで顧客に提供します。また、TGVに関しては、倉元製作所のガラス基板切面加工技術、スパッタ成膜、基板両面研磨技術と組み合わせた複合製品の販売も計画しています。日本およびアジア地域における営業ネットワークを活用し、新規顧客の開拓にも力を入れていきます。
期待される市場効果
今回の事業開始は、急速に成長する次世代半導体パッケージ市場において、倉元製作所の存在感を高めるものと期待されます。MDK社との連携により、高品質な製品を安定的に供給し、顧客ニーズに柔軟に対応することで、市場での競争優位性を確立していく戦略です。特に、生成AIやHPCといった分野への貢献が期待され、今後の更なる技術革新にも繋がるでしょう。
問い合わせ先
株式会社倉元製作所
生産事業統括本部 宮澤浩二
[email protected]
本社工場:〒989-5508 宮城県栗原市若柳武鎗字花水前1-1
電話 0228-32-5111(代)FAX 0228-32-6451