三菱電機がAI支援型PLMシステム開発企業への出資を発表

三菱電機が新たな成長領域での技術革新

三菱電機株式会社は、製造業向けの革新的なテクノロジーの推進に注力しており、新たにスタートアップ企業の株式会社Thingsに出資することを発表しました。この出資は、三菱電機がグローバル・ブレイン株式会社と共に運営するコーポレートベンチャーキャピタル「MEイノベーションファンド」の第12号案件です。しかし、何がこの出資を特別なものにしたのでしょうか？

製造業の課題を解決する技術

最近、日本の製造業界は人手不足や熟練技術者の高齢化という深刻な問題と向き合っています。これに伴い、デジタルトランスフォーメーション（DX）の必要性が高まり、PLM（Product Lifecycle Management）システムの導入がもはや避けられない挑戦となっています。しかし、これまでのシステム導入には、開発にかかる時間やコスト、操作のしやすさ、また将来の拡張性など、様々な課題が存在していました。

株式会社Thingsが展開する「PRISM」というAI支援型PLMシステムは、こうした課題に対する一つの解決策を提供します。2023年5月から提供されているこのシステムは、ユーザーインターフェースとユーザーエクスペリエンスに優れ、コストや拡張性においても他のシステムに勝る性能を発揮しています。すでに多くの企業でのPoC（Proof of Concept）やシステム導入が進められています。

共同で生み出す新たな価値

三菱電機はこの提携を通じて、同社が長年にわたり培ってきた製造・制御技術のノウハウをThingsの先進的な生成AI技術と融合させることで、製造業におけるのさまざまな課題を解決するための「製造業DXソリューション」を提供する実証に取り組む意向です。

株式会社Thingsの代表取締役CEO、鈴木敦也氏は次のように述べています。「MEイノベーションファンドを通じて三菱電機とのパートナーシップを構築できることを非常に嬉しく思います。私たちの技術と三菱電機の製造技術を融合させ、製造業DXの社会実装を速やかに進めていきます。」と、強い意気込みを示しています。

同時に、三菱電機の上席執行役員、松原公実氏もこの協業に期待を寄せています。「シングスとの協業を通じて、私たちの製造業で培ったノウハウと、シングスが持つ生成AI技術の融合をすすめることで、新たな価値の創出につながると信じています。この取り組みを通じて三菱電機グループ全体の競争力を強化していきます。」とコメントしています。